エクステリア通販ホームページ「サンルーム.COM」。問い合わせ数・成約数を倍増させたWebマーケティング戦略とは

HPリニューアル
HPリニューアルシナリオ

最初のリニューアルではコンバージョン率をあげることを優先

サンルーム.COMを運営されている株式会社匠システム様は秋田県にある会社で、2007年からエクステリアのオンラインショップを運営されています。
東北地方の会社ですが、工事をメーカーや提携施工店が行うことで、全国へのエクステリア販売を可能とされています。

2009年に当社にお問い合わせをいただき、実際にお会いしてお話をし、レベニューシェアでのコンサルティングをご提案させていただきました。

サンルーム.COMで取り扱うLIXILのサンルームは、個人向けの商品でありながら平均単価が50万円程度(ガーデンルームだと300万円以上)する高額商品です。
2009年当時もネット通販は一般的になってきてはいましたが、数十万もする商品をポチッとカートに入れて買うことはありませんでした。

サンルーム.COMの成約の流れも、お客様にネットから無料の現場調査を依頼していただいて、実際に現地にお伺いして採寸を行った上で正式なお見積を出して契約する流れでした。
いわゆる2ステップ型ビジネスですので、 ホームページの役割としては、見込み顧客である現場調査数の依頼を増やすこととなります。

私たちがWebマーケティング戦略を考える際は、「このホームページに集客が出来そうか?」という部分から検証するのですが、サンルーム.COMの場合は、「サンルーム」などのビッグキーワードですでに検索順位の上位にあり、ある程度の集客は見込めました。
なので、リニューアルによりコンバージョン率を改善できれば、見込み顧客数や売上は増やせるとシミュレーションできたのです。

そして2009年に、コンバージョン率改善のリニューアルを行ったホームページを公開しました。

その時に立てた仮説を少しご紹介いたします。

専門店としての信頼感をもっと伝えることでCVRをあげる

実店舗がないネットショップの場合は、ホームページを通じてどこまで信頼感を得られるかが、問い合わせ数や売上金額を増やすためのポイントになります。

ネットでの競合他社を調べたところ、ほとんどが同規模の中小企業でホームページもそこまで脅威ではありませんでしたが、1社だけエクスショップというガリバー企業がありました。目標として目指すのはいいと思いますが、売上も資本力も全く違いますので、同じ戦略で戦っても勝ち目はありません。

USP(強み)を探した所、エクスショップは商品数が膨大な総合型のショップですが、サンルーム.COMはサンルーム専門店です。
そこでニッチなマーケットでのNo1を目指し、サンルーム専門店であることをUSPとして尖らせることにしました。買う人の心理として、専門店のほうが安心できると感じる人も多いからです。

また、親しみやすさを伝えるためにスタッフの写真で親近感を出すのが王道ですが、顔出しを嫌がられましたので店長の似顔絵イラストで親しみやすさを与えられないかと考えました。
ホームページの色味も太陽の暖かさ=オレンジをベースにすることで、サンルーム.COMらしさを伝えられたと思います。

概算見積金額を表示して安心感を与える

競合ホームページをチェックをしていた時に驚いたことがあります。
エクスショップなど一部のホームページに、概算見積を自分で計算できるシミュレーションシステムが実装されていたからです。
サンルームはサイズや仕様によって大きく値段が変わってきますので、お客様も実際に自分の家のスペースに取り付けた場合、いくらぐらいかかるか知りたいと思います。
これまでのサンルーム.COMでは最低価格のみを表示しており、実際に正式見積で予算オーバーして失注するケースも多かったそうです。

そこで、競合他社に負けないように、サンルーム.COMでも同様の自動見積システムを作りました。ただ、最初はコスト的な問題でCSVベースの簡易的なシステムでしたが、売上を増やしながらバージョンアップを行っていきました。

施工実績を増やすことでSEO効果も期待

エクステリア施工実績もクライアント側で管理画面から簡単に更新できるシステムを作り、スピーディーに更新していけるようにしました。施工実績ページが更新されることでSEOの評価も高まり、アクセス数も増加しました。

問い合わせ対応のスピード・提案力の見直しで受注率改善

いくらホームページからの見込み顧客を増やしても、成約率が低ければ売上は増えません。
お客様は価格だけで購入するお店を決めているわけではありませんので、対応する人の対応や知識などで信頼できるお店なのかを判断しています。

サンルーム.COMの店長はもともとメーカー出身ですので、商品知識と現場経験が豊富です。このようなプロ中のプロが親身に相談にのって、最適な商品を提案できることができることが強みではないかと考えました。
大手のエクスショップの場合は社員数も多く、担当者により知識にバラツキがありますので、知識や経験が必要なサンルームに関しては勝てると判断いたしました。

このような仮説を反映させてリニューアルしたホームページを2009年10月に公開したところ、 コンバージョン率が上がったことで、問い合わせ数も売上金額も倍増しました。

また、集客面においては、これまで行っていなかったリスティング広告にも積極的に取り組んだことで、SEOだけでは獲得できない様々なキーワードからのコンバージョンを適正なCPAで増やしていくことにも成功。コンバージョンを獲得できているキーワードでSEOを行う事でさらなる良いスパイラルが生まれました。

このように ホームページやLPのコンバージョン率をあげた後に、アクセス数を増やすのが正しい改善の順番となります。
コンバージョン率が悪いままアクセス数を増やしても、穴が空いたバケツ状態で広告費が無駄になるからです。

さらに改善しやすくするためにレスポンシブでフルリニューアル

2009年のホームページリニューアル後、順調にお問い合わせ数と売上金額は増えていきました。ただ、当時はPCサイトのみでしたが、2012年頃からスマホからのアクセスが増加したことでコンバージョン率が悪化。そこで競合他社に先駆けスマホサイトを開設しました。

しばらくはPCサイトとスマホサイトの2つを運営しておりましたが、 改善や更新の手間やコストが重荷となっておりました。
そこで2021年にPCサイトとスマホサイトを統合し、レシポンシブでフルリニューアルを行いました。

サンルーム.COMらしい温かみがあるデザイン

レスポンシブにする場合、コーディングの効率を考えるとある程度はシンプルなレイアウトにすることが多いのですが、サンルーム.COMらしく温かみがあるデザインにすることを優先しました。工数は増えましたが、他社と差別化していくためのブランディングとしては、こだわるべきポイントだと思います。

自動見積シミュレーションシステムのバージョンアップ

今回のリニューアルでは、表側のデザインだけでなくバックエンドのシステムも大幅に改善を行いました。

とくに、お客様ご自身で見積金額をシミュレーションできる自動見積システムに関しては、他社に負けない仕様にしたことで申し込み数が増えました。

管理画面でも柔軟な価格変更が出来るようにしましたので、他社の動向を見ながらの値付けが可能となったことも影響してると思います。

お客様は自動見積シミュレーションの使い勝手が悪いと離脱してしまいますので、UI改善に最も時間をかけました。

パソコンでの表示は画面が広いので、右側にお見積り結果を固定表示し内訳もわかるようなデザインにしました。

スマホでは、表示面積が狭い分、レシポンシブでの調整には苦労しました。フッターに固定させることで常にお見積り金額がわかり、現場見積依頼や電話相談がすぐにできる動線設計を行いました。

お見積リスト保存機能の追加

サンルームは価格が高い商品ですので、お客様は複数の商品で仕様や価格を比較したいと思います。そこで、セルフ見積結果をユーザー登録なしで保存できる「お見積りリスト」機能を追加しました。

この機能があることで、複数の商品の現場調査依頼も簡単にできるようになりました。

オリジナルキャラクターを作成

親しみやすさを出すための戦略のひとつとして、オリジナルキャラクターも提案しました。
名刺や販促ツールに共通で使用するため、お客様の印象にも残りやすく、ブランディングの役割も果たします。

様々なポーズのキャラクターをご提案

404エラー対策

今回レシポンシブでPCとスマホサイトを統合したことで、これまでのスマホサイトへのアクセスがエラーになるなど、大幅なアクセス数の減少の懸念がありました。

事前に、エラーが出るページを細かく把握し、転送設定をしておくことで回避。

このような転送設定は意外と面倒ではありますが、とくに運営年数が長いホームページをリニューアルする場合は、これまでのSEO資産が無駄にならないようにしましょう。

コンテンツSEOで質が高いユーザーのアクセスを増やす

リニューアル前から、ブログでのコンテンツSEOには取り組んでましたが、思いつきのテーマでとりあえずページを増やしているだけで統一感がない状態でした。

そこで、エクステリアに興味を持って情報収集しているユーザーに見ていただけるよう「エクステリア特集」というコーナーを作り、お客様に役立つ質が高い情報を定期的に発信するようにしました。

例えば、「サンルーム増築費用の相場はいくらぐらい?」というコンテンツでは、サンルームを増築する場合の相場について、クライアントに何度もインタビューを行いながら記事を作成。この記事は「サンルーム 費用」などで1位に表示され、アクセス数アップや見積依頼数の増加にも貢献しています。

質が高いコンテンツを定期的に増やしていったことで、1年でPV数が10倍以上に増えました。

通常であればクライアントだけでこのようなコンテンツ作成を行うのはリソース的に難しいのですが、私たちがZOOMでインタビューを行い、ライティング〜記事作成までサポートする仕組みを作ったことで、定期的にコンテンツを増やすことが出来ております。

システム化により業務効率が大幅に改善

今回のホームページリニューアルでは業務管理システムもLaravelで全面改良を行いました。

管理画面で業務を一元管理できるようにしたことで、効率化にも成功。

これまで、メールで対応していた業務も、ルール化できる部分は自動対応にしたことで連絡ミスなどが減りました。

また、お客様用マイページを通じて、見積確認~発注~工事日連絡~レビュー投稿までできるようにしたことで、エンドユーザー側にも大変好評です。

このように、システムで出来る部分はシステム化を行い、人がやるべき仕事に集中することで成約率もあがっていきます。 実際、業務効率化を行ったことで、フォローなどに時間をかけれるようになり成約率も向上しました。

ホームページで成果を出し続けるために

気がつけば、サンルーム.COMさんとは10年以上のお付き合いとなりました。

以前は地元秋田のWeb制作会社に制作を依頼していたそうですが、思うように売上が伸びずに困っていた時に、ご担当者の方が「成果報酬型ホームページ」というのが有る事を知って、当社のホームページにたまたまたどり着いたとお聞きしました。

最初は、当社がある九州からかなり遠方にある会社でしたので、お仕事としてお受けできるのか、近くの制作会社で良さそうなところを探してあげたほうがいいのか正直悩みました。

東京出張のついでに秋田まで足を伸ばし、社長や担当の方と会ってお話をし、詳しい内容は省略しますが、お人柄や熱意がビジネスパートナーとしてお仕事したいと感じましたので、レベニューシェアでのコンサルティングをご契約させていただきました。

私たちはレベニューシェアでコンサルティングをしている会社ですので、ホームページを納品してお金をもらって終わりの関係ではありません。

売上を増やすことが仕事ですので、毎日のようにチャットでやり取りをしながら、コンバージョンを増やすために何かできないか常に考えながらPDCAを回してます。

サンルーム.COMは、匠システムさまのホームページではありますが、売上を増やすことでWin-Winの関係を継続できるプロジェクトですので、まるで自社ホームページのように愛着を感じ、今後ももっと成長させていきたいと思っています。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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