
当社でパソコン修理会社様のホームページリニューアルを行い、売上を3倍に伸ばしました。
どのようなシナリオで、そのような成果を出せたのかWebマーケティング戦略について少しご紹介いたします。
強みをわかりやすく伝え、相談数を増やす
今回のクライアント様である(株)日本ピーシーエキスパートさんは千葉県柏市にあるパソコン修理会社です。
2013年に当社のホームページからお問い合わせをいただき、社長の森田さんの熱意を感じレベニューシェアでプロジェクトをお受けしました。
ご相談いただいた際にまず気になったのが、パソコン修理のニーズがそんなにあるんだろうか?という素朴な疑問でした。
昔は、パソコンは高価なものでしたので、買い替えるより修理するほうが安かったのでニーズは多かったと思いますが、今は修理するより買い替えたほうが安いので、依頼する人はあまりいないのではないかと個人的に思ったからです。
詳しくヒアリングすると、価格面以外でのニーズが見えてきました。
個人の方であれば、思い入れなどもあり同じパソコンをSSDで高速化したり、修理して使われる方が意外と多いとのことでした。
また、法人であればデータ復旧など緊急性を要するものや、レッツノートやタフブックなどビジネスマンがよく利用している機種の修理や高速化の依頼が多いとのことでした。
その当時の強みをまとめますと
- パソコン修理の豊富な経験がある熟練の技術者が、他店で断られた難易度が高いパソコン修理にも対応できる
- ビジネスマンが業務用で使用しているレッツノートやタフブックの修理・高速化が得意
- 対面修理のようにリアルタイムでパソコン修理状況を確認できるシステムがある
このような強みをわかりやすく伝えるためにホームページのリニューアルを行い、2013年7月に公開を行いました。

ホームページをリニューアルしたからといって、すぐにアクセス数は増えませんので、まずはリスティング広告を使って、見込み顧客のアクセス数を増やすことにしました。
これまでもご自身でリスティング広告は行われていましたが、ほぼ放置状態でしたのでアカウントの再構築に着手。メーカー名や機種名×お悩みワードの掛け合わせキーワードで細かく広告グループを分けを行い(※当時は1キーワード1広告グループでの運営が主流でした。)、それに合わせた広告文などセットアップしたことで、比較的高いコンバージョン率で見込み顧客のリードを獲得できるようになりました。
SEO施策としては、これまでの修理実績が3万台以上あり、社長ご自身で修理写真や修理費用などのデータをDB化されていました。
ホームページ側でのアウトプットの見せ方の工夫を行い、修理実績ページを起点としたSEO対策を行ったところ驚くほどの集客効果がありました。
このような施策を地道に行ったところ、売上はリニューアル前の3倍になりました。
BtoB向けの産業用パソコン修理ホームページを新たに構築
もともと個人向けのパソコン修理サービスが多かったPCエキスパートさんですが、企業様からのパソコン修理相談も徐々に増えてきました。
お客様の課題をお聞きする中で、その多くが他社では修理対応できなくて断られた古い産業用パソコンが多く、お客様が困ってネットで修理できる会社を探す中でたまたま見つけたPCエキスパートさんにご相談されるケースが多いことがわかりました。
そこで、古い産業用パソコンの故障修理や延命コンサルティングに特化したホームページの構築を行いました。


企業が業務で使用する産業用パソコンが壊れた場合、すぐに修理対応できることも重要ですが、業務におけるパソコンの重要度などコンサルティングが必要となります。
普通のいわゆるパソコン修理屋さんであれば、そこまでやらない(やれない)のですが、PCエキスパートさんはこれまでの豊富な経験から、業務の流れを詳細にヒアリングした上で、古いパソコンの延命を行ってあと何年ぐらい使いたいか把握した上での費用対効果の提案を行うことができました。
そこで、あえて個人パソコン修理のホームページとは切り離し、企業向けの延命コンサルティングに特化したホームページをご提案しました。
集客に関しては、ニッチなBtoB向けのソリューションですので、見込み顧客が具体的にどのような検索キーワードで調べているかがいまいち見えずに最初は苦戦しました。
このような場合は、リスティング広告で部分一致やフレーズ一致のキーワードでどのようなキーワードで表示回数が多いのか?コンバージョンにつながるのか?などをテストし、アクセス解析を行うことが必要です。
その結果、メーカー名や機種名で調べるユーザーが多いことに気が付き、実績ページを中心にSEO対策を行ったところ、検索エンジン経由で訪問される方からのコンバージョンも増えていきました。
また、このホームページではコンテンツSEOにも取り組んでおり、毎月ライターさんにZOOMでリモート取材を行っていただき、定期的にコンテンツを増やすことで検索エンジン経由のアクセス数も増加しております。

コンテンツSEOは、多くの企業も取り組んでる集客施策ですが、忙しい経営者や担当者の方にブログ更新までやっていただく場合、本業に支障が出たり、全然更新されないケースが多いのも事実です。
そこで、今回は私たちのほうでブログの取材から記事作成まで代行して行うようにしております。
また、コンテンツSEOはすぐに効果が出る施策ではありませんので、地道に続けていく忍耐も必要です。
フルリニューアルを行いリブランディングに着手
BtoB向けの延命コンサルホームページが起動にのり、受注単価の大幅アップにも成功しました。そこで2022年にパソコン修理サービスのホームページのフルリニューアルを行いました。
今回、フルリニューアルした理由として、10年以上前のデザインがベースとなっておりユーザービリティも悪く、コンバージョンを今後もっと増やすためにはレシポンシブでのフルリニューアルが最適だと判断したからです。
ブランディングから全面的に見直し、これまで個人向けがターゲットでしたので、街のパソコン修理屋さんのような親しみやすい雰囲気にしてましたが、BtoB向けに少しカッチリとした感じのデザインにリブランディングを行いました。


また、普通のパソコン修理屋さんとさらに差別化するために尖らせた部分として
- マニアックなメーカーの産業用パソコンも含めどのような古い機種でも修理対応可能であること
- パソコンメーカーや他店で断られた高度なトラブルも解決できる会社であること
- 料金の安さではなく、結果を重視するBtoBの顧客に選ばれていること
このあたりの見せ方を工夫したところ、お問い合わせしてくる顧客層がリニューアル前から大きく変わりました。
これまでは個人の方からの修理相談が中心でしたが、比較的規模が大きい企業の担当者からの相談が増えてきたのです。
これは街のパソコン修理屋さんとの差別化が成功したことを証明してます。
このように会社の方向性に合わせてブランディングをやり直す場合は、ただホームページのデザインを変えただけでは失敗します。
リブランディングを成功させるために必要なのは経営者の固い意思です。
社員の反発もあるでしょうし、これまでの顧客層が離れることで、一時的な売上ダウンも考えられます。
今回は森田社長自らがトップダウンで改革を行った結果として、うまくいったのだと思います。
ユーザー心理からシナリオを考え、コンバージョンを増やすには
集客施策としては、今回も1万5000ページ以上ある修理実績を軸にSEO設計を行いました。
検索エンジンからメーカー名や機種名×ニーズ名(例:PANASONIC CF-SX4 修理)のキーワードで検索してきたユーザーのほとんどは実績ページに着地します

ユーザー行動としては、この修理事例で実際いくらかかったか知りたいと思います。そこで、大体の修理費用を表示するシステムを作ってもらいました。
そこからのユーザー行動として、対応サービスページを見に行くか、ページ下のフォームからコンバージョンへとつなげるというシナリオです。

この仮説は的中し、修理料金の確認をクリックして表示するユーザーはコンバージョン率が高いことがわかりました。
このように、ユーザーがどのように行動するか事前にシナリオを考え、実際の行動をアクセス解析で分析した上で改善を続けることでコンバージョンは必ず増えていきます。
まるで自社のホームページのように改善を行う理由
私たちは作業費をいただいて、ホームページの管理を行っている会社ではありませんので、思いついた時に改善を勝手に行うことが多いです。
例えば、

トップページのコピーを変えてみて、直帰率はどう変わるだろうか

このページは人が説明してる感じのほうが伝わるので社長の写真を入れたらどうだろう

広告から見つけたコンバージョン率が高いキーワードを文章に入れ込んでみよう
これらはPCエキスパートさんのホームページで実際に私たちがやっている改善です。
ただ費用をいただいてるからとか、言われたからやるのではなく、「成果」という共通の目的があるから出来ることなのかもしれませんが、私たちは楽しみながらやっています。
まるで自社のホームページのように定期的にチェックしながら改善を行うことで、見込み顧客のリードが増え、PCエキスパートさんも私たちも幸せになれるからです。
このようなWin-Winになれるプロジェクトを今後も増やしていきたいと考えております。