自社のWebプロデュース事業(web-company.jp)のホームページをフルリニューアルしました。
前回リニューアルを行ったのは2008年12月ですので、じつに15年ぶりのリニューアルとなります・・・
今回どのような戦略で自社のホームページをリニューアルしたのか、仮説やシナリオなどについてご紹介したいと思います。
今回のリニューアルまでの経緯
私たちは普通のホームページ制作会社ではなく、クライアント様のホームページを成果報酬型でコンサルティングを行う事業をしている会社です。15年前も「成果報酬型集客ホームページリニューアル」はすでにやってはいましたが、まだまだ普通の「ホームページ制作」での収益がメインでした。
もっと「成果報酬型コンサルティング」でのプロジェクトを増やしたいけど、「普通のホームページ制作」の仕事が減っても目先の売上的には困るような状態でした。
ただ、先のことを考えるとどこかでビジネスモデルの転換は必要でしたので、ホームページをリニューアルするタイミングで、「成果報酬型集客ホームページ事業」をメインとし、普通のホームページ制作会社からの脱却を図りました。
なぜなら、このまま5年後10年後もホームページを作り続けて、制作費だけで収益を生み出していくことに対して不安や疑問を感じていたからです。
2008年にリニューアルしたホームページを公開したところ、「成果報酬型集客ホームページリニューアル」のお問い合わせが急増しました。
ピーク時には年間300件以上のお問い合わせが入っておりましたが、弊社のキャパ的に新規プロジェクトとしてお受けできるのが年間2~3社程度ですので、99%はお断りしていた状況です。
ホームページ制作会社あるあるですが、忙しい時は自社ホームページの事よりクライアントの事が優先順位としては高くなりますので、ばたばたと目の前の仕事に追われているうちに、自社ホームページの存在すら忘れてしまっていました。
当たり前の事ですが、放置したホームページからの問い合わせは減っていきました。
それでも、既存クライアントのプロジェクトからの売上は順調でしたので、そこまで危機感もありませんでした。
そんな時、2020年にコロナが世界中を襲いました。
当初はあまり影響は無かったのですが、1年、2年と経つうちに観光業など様々なクライアントのプロジェクトの売上が下がりだし、中には事業撤退されるところも出てきました。
「まずい・・・」そう思った時には、かなりプロジェクトが減ってしまっている状態でした。
さすがに危機感を感じ、もう一度、自社ホームページからの見込み顧客を増やして、新しい出会いや新規プロジェクトを生み出そうと考え、15年ぶりに自社サイトのリニューアルに着手したのです。
自分たちの価値をどう伝えたらいいのか
今回リニューアルするホームページでは、自社の強みとも言える「成果報酬型でホームページリニューアルやコンサルをやっている」というUSP(強み)をもっと強く伝えられないかと考えていました。
デザイナーなどともミーティングも行い、「成果報酬型」というフレーズを前面に押し出し、キャッチコピーやデザインで強めのインパクトを出す方向で最初は考えてはいたのですが、「成果報酬型」というフレーズが「ひょっとしたら単なる自己満足なのではないか?」「本当にクライアントに求められれているものなのか?」とふと考えるようになりました。
あくまで「成果報酬型」というのは手段であって、クライアント側の目的としては「ホームページをリニューアルして成果を出すこと」。
つまり、“本質的な自分たちの価値”もこの部分にあるのではないかと考えました。
理想的なユ-ザーの行動シナリオ
- ホームページをリニューアルして成果を出すための方法や依頼先を真剣に調べている
- そこにたまたま「成果報酬型」がいうアライアンス手段があることに気がつき興味を持つ
このようなユーザーであれはコンバージョン率も比較的高そうな気がしました。
また、「成果報酬型」というフレーズだけを強調しすぎるリスクもこれまでの経験からわかっていました。
例えば、このような方からのお問い合わせばかりが増えてしまうリスクがあります。
- 無料(か格安)でホームページを作ってくれるところを探している人
- とにかく費用をかけたくないだけの人
- SEOは無料で出来ると信じていて広告費を払いたく(払え)ない人
ちなみに当社のビジネスモデルとして「成果報酬型のWebコンサルティング」ではありますが、「HP制作費0円の完全成果報酬型」のサービスではありませんので、このような人を集客してもビジネスにはつながりません。
そこで「成果報酬型」を自社のUSPにはせず、「成果を出すためのホームページリニューアルが得意な会社」というコンセプトでホームページをリニューアルすることにしました。
理想のクライアントと出会うための戦略
もうひとつ、このようなコンセプトにした理由として、10年以上お付き合いがあり良い関係を築けているクライアント様の中には、ホームページリニューアルに何度も失敗して、「次のリニューアルは失敗できない」「リスクをおさえてホームページをなんとかできないか」と必死に調べていたところに、たまたま当社のホームページにたどり着いてご相談いただいたことがきっかけだったことを思い出したからです。
逆に「成果報酬型」で探している方は、とにかく費用をかけたくないという方が多く、結局プロジェクトも成功せずにいい関係が続かないケースが多かったからです。
このように既存顧客から理想のターゲットはどのような属性なのか考えることは重要です。
リニューアルで失敗しないための考え方を伝える
当社には様々な会社から「ホームページからの見込み顧客を増やしたい」というご相談をいただきます。ホームページを見てみると、見た目はキレイなデザインなんですが、なぜかあまり響かないし印象にも残らない。
参考までにホームページ制作会社に頼む前に、自分たちで作っていた時のホームページも見せていただいたのですが、たしかにデザインは素人の手作り感丸出しなのですが、書いてある内容は熱量がありしっかり思いは伝わってくる。
よく聞くと、リニューアルする前のほうが問い合わせが多かったというケースもあるほどでした。
実はデザインのかっこ良さは成果にあまり関係なく、どれだけ真剣にお客様のことを考え、リニューアルしたのかが成果には関係あります。
他にも、リニューアルで失敗しないためのポイントはたくさんあり、そのようなメソッドは一般の方やデザイナーは知らないことが多いものです。
そこで、「失敗しないためのリニューアルの考え方」をちゃんと伝えることで、ホームページをリニューアルして成果を出したいと真剣に考えている方に興味を持ってもらえないかと考えました。
見た目のデザインをカッコ良く変えたくて制作会社を探しているような方ではなく、真剣にリニューアルを成功させるためのパートナーを探している方に響くコンテンツです。
情報発信によるコンテンツSEO
集客のためのコンテンツとして、成果を出すためのホームページリニューアルやWebマーケティングの仮説の立て方をWebマーケティング成功のシナリオで紹介しております。
これは、私たちだったらどんな考え方でリニューアルをして、どのような成果を生み出すのかを伝えることで信頼していただくことを目的としてます。自主プレゼンのアウトプットも含みますので、ただホームページを作るだけの制作会社との企画力の違いを伝えたいという意味もあります。
いわゆるコンテンツSEO戦略のひとつですが、ブログというより教科書的なしっかりとした内容にすることで、私たちの真剣さをちゃんと伝えることが目的です。
ユーザー動線としてはリニューアルで失敗しないためにや成果へのこだわり、Webマーケティング成功のシナリオをしっかり読んでいただき、その後に成果報酬型ホームページリニューアルページを見ていただくことで、質が高いコンバージョンにつながっているのではないかと考えてます。
ターゲットが使っている言葉を使う
業界の人が使う言葉と、一般の人の言い方が違うケースはよくあります。
そこでSEO対策のキーワードに関しては、このような仮説も立てました。
当社のクライアント規模としては、予算も社内リソースもある大企業ではなく、どちらかといえば中小企業かと思われます。
地方の中小企業であっても、いわゆる零細企業ではなく、知る人のみが知っている競争力が高い独自の商品やサービスを持っていて、現在はネット以外での営業でちゃんと利益が出ているような競争力がある会社のようなイメージです。
このような、まだWebマーケティングに力を入れてない中小企業であっても、時代の流れとしてこれからは営業活動でネットを活用しないと生き残れないのではという漠然な危機感は必ずあります。
そのような危機感を持っている経営者や事業責任者の方が検索しそうなキーワードを考えた時に、私たちが一般的に使う「Webサイトリニューアル」ではなく「ホームページリニューアル」という言葉を使って検索しているのではないかという仮説を立てました。
そこで、あえてこのホームページ内の文章では「Webサイト」や「サイト」ではなく、「ホームページ」というキーワードで文章を統一することで、関連ワードで上位表示されるようSEO設計を行っております。
マイナスをプラスに変えられないか
今回、自社のマイナスな面も正直に掲載することにしました。
ただ、それらをたんにマイナスとは考えず、少しでもプラスに感じていただけるような工夫を行いました。
料金面
ホームページリニューアルを検討している方が知りたいのは、リニューアルにかかる「料金」だと思います。
要見積もりではなく、◯円プランのようなわかりやすい料金体系にしたほうが成約率も高くなると思いますが、私たちは「成果報酬型のコンサル会社」ですので、「成果報酬率の目安」を入れることで、作って終わりの制作会社と差別化を図ることにしました。
安くリニューアルすることを目的にせずに、利益を出すためにリニューアルを行うと理解していただくためでもあります。
制作実績数
制作会社にとっては、自社がどのようなデザインを作れるかアピールできる「ホームページ制作実績」は重要なページです。
デザインのクオリティもですが、これまでの制作数=信用できる と判断される人も多いと思います。
当社も以前は「制作実績数」で勝負しており、創業した2003年当時は、ホームページ制作会社自体があまり多くなく300以上の制作実績がある会社自体が少なかった時代ですので、それを自社の強みとして十分戦えました。
ただ、今はビジネスモデル的に、新規のリニューアル案件は年に1、2つぐらいしか増えませんので実績数では勝負が出来なくなりました。
そこで「ひとつひとつのプロジェクトで成果を出すことを大切にしている」というメッセージとともに、これまでのプロジェクトを丁寧に紹介することにしました。
一部の実績に関しては、「当社にリニューアルを依頼してみてどうだったか?」顧客インタビューを行い掲載しました。
これは、実績数だけで判断されるのではなく、ひとつひとつの仕事に対する評価をちゃんと伝えたかったからです。
会社の規模
取引先に対して、社員数など会社規模を重視する会社もあります。
実際、私たちは社員数名の小規模な会社ですので勝ち目がありません。
なぜ規模を大きくしないかという理由として、プロジェクトの課題ごとにデザイナーやプログラマーなどの外注パートナーを組み合わせて最適なチームでやるほうが効率がいいということをちゃんと伝え、差別化できないかと考えました。
また、規模が大きい制作会社では、どうしても担当の当たり外れがありますし、組織の一員なので責任感が薄いという不満の声もよく聞きます。
当社では必ず代表が窓口を担当し、成果が出るまで責任を持ってコンサルしますので、その部分に対して安心感を感じる担当者や経営者の方と出会えたらと考えております。
得意ではない仕事
成果報酬というビジネスモデルでやっていると、お仕事としておうけできないケースも数多くあります。そこで、成果報酬に向いてないプロジェクトを先にお伝えすることで、ミスマッチも事前に避けられるようにしました。
- コーポレートサイトやIRサイトなど成果が明確でないもの
- 地域密着で商圏が狭いビジネスモデル
- 低単価(5000円以下)で粗利が30%以下の商品
- 薬事法に接触する恐れがある商品やサービス
- アダルト関連商品やサービス
- 全て丸投げで協力いただけない方
自社サイトをリニューアルした目的
今回の自社ホームページリニューアルの最大の目的として、ホームページリニューアルのご相談を増やし、成果報酬型でのプロジェクトを増やすことです。
素晴らしい商品やサービスを持っているけど、近くのホームページ制作会社ではその良さをうまく伝えきれずに成果が出ていないような会社は全国にはたくさんあります。
そのWebマーケティングのお手伝いをしてWin-Win関係のクライアントをもっと増やしたいと考えています。
ただ、目的はそれだけではありません。
そのような成果報酬型プロジェクトのホームページ制作を手伝っていただけるアシスタントさんや外注パートナーさんとの出会いの機会ももっと増やしていきたいと考えています。
自分たちの考え方ややっていることを、このホームページで正直に公開することで、リニューアルを検討しているクライアント側だけでなく、仕事を探している人にも興味を持っていただけると思っています。全国には子育てなどでこれまでの会社員の経験を活かせずにいる優秀なWebデザイナーさんなどもたくさんいらっしゃいます。
私たちにとってクライアントさまも、仕事を手伝ってくれるアシスタントさんや外注パートナーさんも大事な仲間です。
Webマーケティングで成果を出すことでみんなが幸せになっていけるビジネスモデルを広く知っていただき、世の中を良くするプロジェクトを増やし、クライアントさまやパートナーさんなどの仲間と一緒に成長していければ、とても幸せな事だと思います。