
私たちがホームページをリニューアルする時にまずやるのが、競合他社のホームページを徹底的に分析することです。これはリバースエンジニアリングという手法ですが、そのやり方について少しご紹介したいと思います。
リバースエンジニアリングとは
リバースエンジニアリングとは、工業製品の開発プロセスで、競合他社などの既存の製品を分解や解析して、その仕組みや構成などを洗い出していく手法です。
一般的には設計をして製品化するのが普通ですので、その逆(=リバース)の開発手法ということで「リバースエンジニアリング」と呼ばれています。
なぜ、リバースエンジニアリングを行うかというと、開発期間の短縮とコスト削減がメインの目的となります。
ゼロベースから開発するとなると、実験や設計などでものすごい時間がかかってしまいますので、すでにある製品の構造を真似することで開発期間を短縮することができます。
ただし、他社の製品をそのまま真似するのは違法ですので、今ある製品を改良してより良い製品を生み出す手法だと考えてください。
ホームページリニューアルでもリバースエンジニアリングは使える
ホームページをリニューアルする時にもリバースエンジニアリングの手法は使えます。
リバースエンジニアリングを行う理由として、競合他社のホームページのデザインやコンテンツをそのまま真似することではありませんので(それは単なるパクリ)、他社のホームページを分析して良い部分を把握して、そこに自社のオリジナルを加えてより良いホームページにバージョンアップさせることが目的です。
実際、私たちがクライアント企業のリニューアルに関わる時も、ベンチマークとして数十社の競合他社を把握することから始めます。
とくに、業界的に詳しくないジャンルに関しては、勉強も兼ねて徹底的にホームページを見ていくことに、ものすごく時間をかけます。
リニューアルにおけるリバースエンジニアリングの流れ
競合他社のホームページの以下のような部分をまずは洗い出して一覧化していきます。
- サイトマップやディレクトリ名
- タイトルの付け方やキーワード
- グローバルメニュー名や並び順
- トップページの構成
- 使っている色(数)やトンマナ
- レイアウトパターン
- 使っているCMS
- 画像の形式やサイズ
- 公式SNSの種類
など
これを1社だけでなく、複数の競合他社で行うのですが、データを一覧化するのが目的ではありませんので、そこから必ず気づきを得るようにしましょう。
なぜ競合他社はこの見せ方やコンテンツを用意しているのかという意図を汲み取ることが大事です。
なので、ユーザー視点で見た時に、感覚的に共感できた部分(できなかった部分)や疑問に思ったことなどをメモしておきましょう。
そこから、自社に応用できる部分や、これは自分たちらしくないなと思う部分など、線引しながらオリジナルなホームページにしていきます。
どうしても、同じ業界のホームページだけで分析すると似たような感じになってしまいますので、例えばBtoBの業界であれば、BtoCのホームページも一部取り入れて分析することもおすすめします。
どうしてもホームページの見た目にこだわる人がいますが、デザインは何か伝えたいことがあり、それを伝えるためのイチ手段だと考えてください。
センスが悪いデザイナーは表面的に真似するだけですが、センスがあるデザイナーは本質を見抜き、それをうまく自分の中で処理してバージョンアップさせた上で伝わるようにします。
なのでぱっと見ただけでは、リバースエンジニアリングを行った上で発想を得たとはわかりません。
最初は、誰だって人の真似をしながら上手になるものです。

リバースエンジニアリングも同様にうまく取り入れることで、効率的に自社らしいホームページにリニューアルしていきましょう。