【BtoB企業のための生成AI対策】その記事、AIに届いてますか?

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最近では、BtoB企業もコンテンツSEOに積極的に取り組むようになりました。しかし、「ブログ記事を書いてもアクセスが伸びない」という声も担当者の方からよく聞きます。

その原因として考えられるのが、ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な普及です。今や情報収集をGoogleではなく、ChatGPTで済ませるビジネスパーソンが増えています。

「◯◯とは何か?」と調べたいとき、商品やサービスの違いを知りたいとき、ググルよりChatGPTに質問する方が早い、というわけです。

これは、検索エンジン頼みの集客に限界がきていることを意味しています。これまでのように集客のほとんどをGoogleに依存しているホームページでは、今後ますますアクセス数が減っていくと思われます。そのかわり、これからは「生成AIに引用されるコンテンツ」が新たな集客チャネルとなっていく可能性があります。

そこで、BtoB企業が今からでも取り組むべき「生成AIに引用されるコンテンツ作り」の取り組み方についてご紹介いたします。

なぜ今「生成AIに引用される」ことが重要なのか?

2023年以降、ChatGPTのような生成AIが急速に普及し、ChatGPTの利用者数は1億人を超えたそうです。

私の周りでも、生成AIを業務に利用する人が増えており、これまで何かを調べる時は、Googleでググっていたのが、生成AIへの質問で解決できるようになってきてます。

  • 1.「◯◯とは何か?」をGoogleではなくChatGPTに聞く
  • 2. 商品やサービスの違いをAIにまとめさせる
  • 3. ウェブサイトを見に行くのではなく、AIの回答で理解する

Googleの代わりにChatGPTを使う人は今後も増え、Gartnerの調査では、2026年までに企業向け検索の30%以上がAIアシスタント経由になるという予測もあります。

つまり、ユーザーとの接点が「検索結果」から「AIの回答」へと移行しています。

現在、検索結果の上位に表示されているホームページでアクセス数が多くても、今後もそれが続くとは限らないのです。

生成AIに引用されるとはどういうことか?

今後は、検索結果に表示されるだけでなく、AIの回答へも引用されるホームページになることを目指すべきです。

ChatGPTやClaudeなどの生成AI(LLM=大規模言語モデル)は、Web上の公開情報をもとに学習して回答を生成しています。Wikipediaや大手ニュースサイトだけでなく、中小企業のWebサイトの情報もクローラーによって収集され、学習データに組み込まれる可能性があります。

つまり、信頼できる構造と内容を持つ記事であれば、中小企業の情報もAIに引用される可能性があるのです。

AIに引用されるための3つのポイント

一次情報を含める

他のサイトでも書かれているような情報ではなく、「自社ならではの体験」や「現場の工夫」など、オリジナリティのある一次情報を意識しましょう。業務で得た気づきや顧客対応の実例は、それだけで貴重なコンテンツになります。自分では価値がないと思うようなニッチな情報でも、人が見たら貴重な情報です。

Q&A・定義・比較形式でまとめる

最近は、Googleで検索した時もAIによる概要が一番上に表示されることが多くなってきてます。

生成AIは「◯◯とは?」「AとBの違いは?」といった明確な質問に対する答えを引用しやすい傾向にあります。特にBtoB分野は検索ボリュームが小さい分、Q&A形式で整理された記事が重宝されやすいです。

E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を示す

AIも信頼性のない情報は引用しません。記事の中に「誰が発信しているのか」「どんな経験をもとにしているのか」を明示しましょう。

Googleでも重視されるE-E-A-Tは、生成AIにも有効です。

・Experience(実体験)

・Expertise(専門性)

・Authoritativeness(権威性)

・Trustworthiness(信頼性)

まずは「AIに引用される記事」を1本書いてみよう

「ChatGPTでこの質問をされたら、どんな回答に自社が載っていてほしいか?」を想像してみてください。そこから記事のテーマを考えていくと、方向性が見えてきます。

以下は、BtoB企業が比較的取り組みやすく、生成AIにも引用されやすい記事テーマの一例です。

 事例(一次情報として引用されやすい)

  • 月5件の問い合わせを獲得したLP改善事例
  • 製造業の現場にAIチャットを導入した実例
  • Webからの受注がゼロ→月商300万円に成長した背景

よくある質問(Q&A形式はAIも好む)

・中小企業のBtoBマーケティングで結果が出やすい広告は?
・ChatGPTはBtoB企業の営業にどう使える?
・海外向けサイト作成方法と費用感は?

業務解説(専門性と実務視点を出しやすい)

・展示会で獲得した名刺を“休眠させない”フォロー業務の流れ
・受注率が上がる!BtoB営業における提案書の作り方
・工場で成果を出すための節電プロセス

比較(AIにとって“答えを整理しやすい”構造)

・ChatGPTとGemini、どちらが営業向き?機能比較
・自社開発と外注、BtoB企業のWebリニューアルはどっちが得か?
・BtoB向けMAツール、導入しやすいのはどれ?

体験談(ストーリー性があり信頼性もアップ)

・ChatGPT導入で社内の働き方がどう変わったか
・“うちはムリ”と思ってたAI活用、やってみたら意外な結果に
・展示会での声かけ、AIで事前に練習してみた

ノウハウ(再現性や実用性がありAIにも好まれる)

・BtoB企業のための“AIに引用される”記事の作り方

・問い合わせにつながるホワイトペーパーの書き方
・生成AIが好む構造とは?Web記事の型とテンプレ

コンテンツ公開後にやるべきこと

しばらく時間をおいてから、生成AIで検索してみましょう。回答に自社の情報が出てこない場合は、生成AIの知識ベースにまだ取り込まれていない可能性があります。

利用するAIによって引用されるようになるまでの差がありますが、ChatGPT-3.5/4の無料版(通常版)は「特定時点までの学習済みデータ」を使っており、新しい記事はすぐには反映されません。ChatGPT Plus(GPT-4 Turbo)や企業向けカスタムGPTはBingや検索APIとの連携で最新情報が取得されるケースがありますので、早ければ数日〜数週間で回答に反映される可能性もあります。

GeminiはGoogle検索インデックスを基に回答しているため、ページがGoogleにインデックスされていれば、比較的早く反映される可能性があります。Google Search Consoleでクロール申請をすると、数時間〜数日でインデックスされ、 Geminiに反映されることもあります。

しばらくたっても取り込まれない場合は、サイトがnoindex設定になっていないか確認してみてください。また、AIは「新しい情報」を好むため、定期的に内容をブラッシュアップすることで取り込まれやすくなる可能性もあります。

よくある質問

Q. ChatGPTに引用されたかどうかはどうやって調べるのですか?

実際にキーワードを入力し、回答文内の「出典」表示をチェックします。また、ChatGPT Plus版ではWebブラウズ機能をONにすることでより正確に検証可能です。

Q. 古い記事をAI対応に変えることはできる?

可能です。既存ページの構成や内容を再編集することでAIに引用されやすいページになります。

Q. AIに引用されることで本当に集客効果はあるの?

すでに海外では集客効果があった事例が紹介されてますので、日本でも今後、成功事例は増えていくと予想されます。

AIに“認められる”企業は生き残れる

これからのBtoBマーケティングは、「検索で上位に出る」ことだけでなく、「AIが情報源として認識し、引用される信頼された存在」になることが、企業にとって新たな価値となっていきます。

BtoBの中小企業にとっても、これは決して他人事ではありません。

特に日本の中小企業は、大企業にはないスピード感や現場視点、独自のノウハウを持って業務を行われていると私は感じていて、それらは生成AIにとっても価値ある一次情報となり得ます。

だからこそ、今から「生成AIに引用されること」を意識した情報発信を始めても遅くはありません。

AIに“認められる”企業は、見込み顧客からも信頼されます。

地道な情報発信の積み重ねが、次の時代の集客力、ブランド力、そして事業の持続性へと必ずつながっていきます。

そして将来、AIエージェントがビジネスの意思決定を担う時代が来たとしても、価値ある情報を提供している企業は、きっと生き残っていけるはずです。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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