BtoB向け空気清浄機のWebマーケティング戦略

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コロナで業務用空気清浄機のニーズが急増

2020年のコロナの感染拡大をきっかけに感染症対策として店舗や事務所に業務用空気清浄機を導入する企業が一気に増えました。
もし、社内や店舗内で感染者が出た場合、事務所を閉鎖して消毒をしたり、従業員を自宅待機させるなど数週間ビジネスを止めなければいけないからです。

そのようなリスクを少しでも低くするために、手軽にできる感染対策として業務用の空気清浄機に注目が集まりました。

従業員を守るための設備投資的な意味での導入も多かったと思います。

これまで家庭用の数万円で購入できる空気清浄機を事務所で使っている会社が多かったのですが、補助金などの関係もあり、Airdogのような10万円以上する高級空気清浄機が売れるようになり、単価が一気にアップしました。

このような高性能高価格帯のBtoB向け空気清浄機はこれまでも医療機関など特定の業種にはニーズが多かったのですが、一般企業へもニーズが広がったことで様々なメーカーが参入してきていました。

既存メーカーもAirdog以外にもシャープやダイキンなど日本の大手家電メーカーやマイナーなメーカーの製品も合わせるとかなりのレッドオーシャンな状態です。

そのような状況の中、ご相談いただいたベンチャー企業の業務用空気清浄機の集客をどうしていけばいいのか、競合他社製品の分析も含め、リサーチを行いながら戦略を考えていきました。

USPからキラーコンテンツを考える

市場のニーズとして業務用空気清浄機のマーケットは広がってはいるが、 その中でどのようなポジショニングをとっていけば生き残っていけるのかを考えて仕掛けなければ成果は出ません。

そこで、クライアント企業の営業担当者と経営者にオンラインでヒアリングを行い、このメーカーの現状やUSPをコンセプトシートに簡単に整理することから始めました。

USP

  • 業務用イオンクラスター
  • 除菌・脱臭効果が期待できる(エビデンスあり)
  • 2万5000台以上の導入実績
  • A4コンパクトサイズのシンプルなデザイン
  • メンテナンスの手間とコスト
  • 助成金が使える
  • (今後の検討)アート仕様デザインなど付加価値をつけられる

大手家電メーカーであればいかにも空気清浄機といった感じの無難なデザインの製品が多いのですが、こちらのベンチャー企業の空気清浄機はデザイン的にも少し特徴があり、最初ご相談いただいた段階で「これはいいな」と個人的に興味を持っていました。

シンプルなA4サイズのコンバクトなカタチで色もシルバーなので、どんな事務所の雰囲気にも自然と馴染むのではと個人的に感じていたからです。

Airdogほどの大型な空気清浄機であれば、設置する場所なども気にしますが、A4サイズのコンパクトさで差別化することもできます。

また、導入実績数もある程度、数は多かったのですが、数だけであれば大手メーカーにはかないません。
そこで、どのような企業が多いのか質の確認を行ったところ、医療機関や地方自治体への導入など信頼が重視される現場への導入事例が数多くありました。この点をうまく訴求することで、信頼感も伝えられるのではないかと思いました。

このようにベンチャー企業の商品は どこを尖せて見せるか、そしてその見せ方の優先順位をどうするかを考えることが大事なポイントとなります。

ターゲット

感染症対策として複数台の空気清浄機の導入を検討されているような大手企業をメインターゲットにしたいと最初考えてましたが、そこに営業をかけている競合他社も多くかなりの苦戦が予想されます。

そこで、臭いの分解というUSPがありましたので病院や老人施設、ペットショップなど臭いに課題を抱える業種のほうがターゲットとしては攻めやすいのではと考えました。

そのほうがコロナが収束に向かった時でも、継続的にターゲティングしていけるという理由もあります。

インサイト

あまり知られていないベンチャー企業の商品ですので

聞いたことがないメーカーの空気清浄機だけど大丈夫なんだろうか・・・

このように感じる方がほとんどだと思います。それを

ベンチャー企業が開発した最先端技術を使ったイオンクラスターなのか

と思っていただけるようなブランディングにできないかと考えました。

ここで、「効果がありそうだ」「一度試してみたい」「助成金も使えるのか」「詳しい説明を聞いてみたい」と少しでも興味を持っていただくためには、他社と差別化するためのキラーコンテンツが必要となります。

キラーコンテンツ

  • ターゲットとする特定業種に絞った導入事例やインタビューを集中して集める
  • 競合他社製品と徹底比較した資料(エビデンス付)の強化していく

ニッチな市場での勝ちパターンを見つける

毎月数百万単位のリスティング広告費を投資できる大手家電メーカーや海外ブランドと直接戦わないためには、 ニッチな市場での勝ちパターンを見つけなければいけません。

そこで、以下のようなテストマーケティングをご提案しました。

リスティング広告

最初に「業務用 空気清浄機」「業務用イオンクラスター」などのビッグキーワードの部分一致キーワードで一通り広告を出してみて、予算の消化具合やCVキーワードの傾向を分析する。

また、「病院の匂い 芳香剤」など悩み系ワードで業種を絞った掛け合わせであれば、検索数は多くないですが、ライバル数も少ないの戦えるのではないかと考えました。

コンテンツSEO

SEOはどうしても時間はかかりますが、リスティング広告で獲得できているCVキーワード周辺ワードでコンテンツSEOにコツコツ取り組むことでCVを増やしていけます。

その他の集客

知名度を上げて商品名での検索数を増やすためにも展示会出展やマスコミ取材などリアルのPRは不可欠だと考えました。

集客から、まずは資料ダウンロードのCVをいかに増やして、セールスのデモまでむすびつけられるかが今回のプロジェクトが成功するかのポイントとなります。

テストマーケティング用デザインを作成

当社でリスティング広告のテストマーケティングで使用するLPのデザインサンプルを作成しました。

ランディングページ

資料ダウンロードページ

こちらのプロジェクトですが、先方のご都合により、実際のテストマーケティングは実施されませんでした。
ただ、うまくPDCAを回して改善していけば、適正なCPAで資料ダウンロードからデモ→成約の流れはある程度作れたのではないかと考えております。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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