
最近、税理士や弁護士のような士業の方からリスティング広告経由の問い合わせの質が低いという相談をいただく事がありました。
問い合わせはちょくちょく入るが、広告経由のお客さんは温度感がとても低く、成約に全く結びつかないという内容です。
原因はだいたい同じところにある事が多いので、そのポイントをまとめてみました。
問い合わせの質が低い原因はLP側にあることが多い
これは士業特有の話ではなく、専門性の高いサービスを扱う会社全般によく見られる傾向だと思っています。
問い合わせをする側からすると、そもそも「ここに相談する理由」を理解しないまま、とりあえず複数の会社に問い合わせをしている可能性がある。
LPで自社がターゲットとしている顧客の絞り込みができていないことが要因です。
これはデザインの問題ではなくて、「誰の、どのような悩みを課題を解決するのが得意なのか」をちゃんと伝えきれていないということです。
ファーストビューのキャッチコピーが弱いと何が起きるか
まず、ファーストビューでの訴求がズレている可能性があります。
LPを開いた瞬間にどのようなメッセージが目に入るか。これでユーザーに与える、何が得意な専門家なのかのイメージがほぼ決まってしまうからです。
たとえば「経験豊富な専門家が丁寧に対応します」といった、どの事務所にも当てはまりそうな言葉だけが並んでいるLPは少なくありません。これだと、読んだ人は「自分の悩みにちゃんと応えてもらえるのか」が分からないまま、なんとなく問い合わせボタンを押すことになります。
結果として、目的が曖昧で温度感の低い問い合わせが増えてしまいます。問い合わせフォームの項目を増やしたり、電話確認を必須にしたりという小手先の対策で質を上げようとする方もいますが、それでは根本の解決にはつながりません。
強みを見つけて尖らせることがLP改善の出発点
よく言われるのが、「強みなんて言われても、どの事務所も似たようなことをやっているのでは」という反応です。
たしかに、士業であれば提供しているサービスの種類自体はそれほど変わらないことが多いと思います。
ただ、私が言っている強みというのは、サービスの種類ではなく、「どんな状況の、どんな悩みだったら誰にも負けない」という強みの軸の話です。

他社と差別化するために必要なのは、自社の強みを見つけて分かりやすく伝えることが大事です。
強みの見つけ方①:過去の相談内容を洗い出す
強みを探すとき、私がまず勧めているのは過去にどんな相談を受けてきたかを振り返ることです。
問い合わせや商談の議事録を整理してみると、意外なほど特定の相談が繰り返されていることに気づきます。それがそのまま、自分たちが得意としている領域のヒントになります。
「対応の速さ」や「丁寧さ」といった抽象的な言葉が出てきやすいのは、こうした作業を経ずに強みを考えようとしているからで、過去のデータの中から拾っていくと具体性が増してきます。
これは一度やってしまえば終わりというものではなく、相談内容が変わってくれば、強みの見せ方も少しずつ更新していくべきものだと思っています。
強みの見つけ方②:既存のお客様にヒアリングする
もうひとつ、絶対やっていただきたいのが既存のお客様に直接聞いてみることです。
なぜ自分たちに依頼したのか、他社と比べてどこが良かったのか。これを聞いてみると、自分たちが当たり前だと思っていたことが、実は選ばれた理由だったというケースに何度も出会いました。
自己分析だけでは気づけない強みが、お客様の言葉の中にあることが実は多い。余談ですが、こうしたヒアリングを通じて出てきた言葉は、そのままLPのキャッチコピーに使えることもあります。お客様が使っている言葉で伝えると、同じ悩みを持つ次のお客様にも刺さりやすくなるからです。
強みの見つけ方③:エリアや得意分野を掛け合わせてみる
すでに似たような競合他社があったとしても、掛け合わせ方次第で尖らせる余地は残っています。
たとえば、福岡で交通事故解決率No1の弁護士、木造アパート投資専門の税理士といったエリアや強みを掛け合わせるやり方です。
どんな業種でも、エリアや得意分野を掛け合わせることで、何かひとつは尖らせられる部分があるはずです。強みがあまりないなと感じたときは、まずこの掛け合わせできるものを全て上げて、掛け合わせることをおすすめしています。
リスティング広告からLPへ、ユーザーの行動をどう設計するか
また、広告をクリックした瞬間の心理を無視すると、LPをどれだけ作り込んでも刺さらないことがあります。
リスティング広告から流入してくる人は、キーワードを入力して検索結果の中で何かしらに反応してクリックしています。つまり、クリックした時点である程度の関心や悩みを持っているはずなんです。
LPに着地した瞬間、その関心に応えるキャッチコピーが入ってないと、人はすぐに離脱してしまいます。これは感覚的な話ではなくて、広告のキーワードとLPのコピーがずれているケースを、これまで何度も見てきました。
検索した言葉とLPで最初に目に入るキャッチコピーが噛み合っていないと、せっかく関心を持ってクリックしてくれた人でも、数秒で「違うな」と感じて離脱します。
広告とLP、どちらが原因か切り分けて考える
コンバージョンの数が少ない、問い合わせの質が悪いという状況は、広告が原因なのかLPが原因なのか、まず切り分けて考える必要があります。
同時に両方を改善してしまうと、結果が良くなったときも悪くなったときも、何が効いたのかが分かりにくくなってしまいます。
これは私の経験ですが、広告とLPの改善のタイミングを少しずらして進めたほうが、どこにボトルネックがあるのかがはっきり見えてくる場合があります。焦って一気に両方を変えたくなる気持ちは分かるんですが、原因が分からないまま改善を繰り返すより、結果的には遠回りにならないことが多いです。
既存LPを直すか、作り直すか
コンバージョンが少ない時点で、私は基本的に作り直しを勧めています。
既存LPの一部を修正して様子を見たい、と言われた場合、検証のために使い回せるかどうかは、実際に見てみないと判断できない部分もありますが、結果が出ていないという時点で、LPそのものに問題がある可能性が高いです。
成果報酬型で広告運用をお手伝いする立場としては、土台が曖昧なまま広告費を投下し続けるほうが、長い目で見るとリスクが大きいと考えています。
広告費は毎月出ていきますが、LPの土台が変わらない限り、同じ質の問い合わせが繰り返されるだけになってしまうからです。
士業がまず見直すべきは、広告の改善ではなくLPでの強みの伝え方
広告費を増やす前に、LPの強みの伝え方を変えて問い合わせの質を改善することが大事です。
問い合わせの質が下がっていると感じたとき、多くの方がまず広告の運用方法やターゲティングを見直そうとします。もちろんそれも大切な要素ではあるんですが、私の経験上、最初に見るべきはLPのファーストビューと、そこに書かれているキャッチコピーです。
誰のどんな課題なら必ず解決できると言い切れてるのか。これが曖昧なままだと、広告をどれだけ最適化しても、問い合わせの質は上がってこないと思っています。
士業のような専門性の高いサービスほど、強みは見えにくく、言葉にしづらいものです。だからこそ、自分たちの強みを一度きちんと整理して、LPの中でテストしていく。その繰り返しが問い合わせの質の改善につながってきます。
強みを言い切るためには、専門家としての「軸」がはっきりしている必要があります。来た相談を何でも受けるのか、それとも対応する相談の範囲をある程度絞るのか。軸が定まっていないと、LPの言葉もどうしてもぼんやりしたものになってしまいます。

広告を改善するより先に、まずはこの軸を整理することから始めてみてください。

