メタバースのビジネス活用への期待と課題

メタバース
シナリオメタバース

メタバースというワードは聞いたことがあっても、具体的にどのようなものなのかよくわからないというビジネスパーソンは多いと思います。
自分のビジネスに使えないかと考えている人もおられると思いますので、メタバースのビジネス活用について少しご紹介します。

メタバースとは?

メタバース(Metaverse)とは一言で言うとインターネット上の「仮想空間」の事です。

メタバースという言葉は、1992年にニール・スティーヴンスンの小説内で登場した「超越」という意味の「Meta」と「宇宙」を意味する「Universe」が掛け合わさった造語で作られています。
ただ、一般的にはメタバースという言葉が広まったのはFacebook社が社名を「Meta(メタ)」に変更した2021年後半からです。
マーク・ザッカーバーグもメタバースの可能性や未来を動画で熱く語っています。

メタバースはVRゴーグルを使わなければ見れないのかというとそうではなく、VR機器の有無に関係なくスマートフォンやパソコンでもメタバースは利用はできます。
なので私たちは、ホームページと同じように見れることを考慮して「3Dホームページ」と呼んでいます。ただ、VRデバイスでアクセスしたほうがメタバース特有の高い没入感を体験できますので、できるだけVRで体験することをおすすめします。

現在はまだメタバースが普及しているとは言えない状態ですが、これから一気に普及していくと思われます。

理由としては、現在誰もが使っているインターネットも最初は利用者が少なく、ホームページを開設する企業も少なかったのですが、私が独立した2000年ごろから爆発的に利用者やホームページを作る企業が増えていきましたので、メタバースも同じようになるのではと考えています。

2022年の総務省による情報通信白書によれば、メタバースの世界市場は2021年に4兆2,640億円だったものが、2030年には78兆8,705億円まで成長すると予想されています。

また、Meta社の目標として、今後10年の間にメタバースの利用者数を10億人に到達すると言われており、調査会社ガートナージャパンの試算でも、2026年までに世界人口の25%がメタバースで1日1時間以上過ごすという予測も出ているほどです。

メタバースの期待と課題

まだまだ普及しているとは言えないメタバースですが、今後、メタバースがビジネスで活用できるようになるための期待と課題を紹介します。

期待すること

新たなユーザー体験

メタバースでは現実と同じような体験だけでなく、仮想空間上でしかできないような体験をできることが一番のメリットだと言えます。
例えば、遠方の人と目の前にいるような臨場感で身振り手振りで話せるだけでなく、現実的には難しい宇宙旅行を楽しんだり、音楽フェスのようなイベントにも自分の部屋から気軽に参加できます。
一度、このような体験をしたユーザーはメタバースの素晴らしさをわかっているので、何度もアクセスしたくなるものです。

新規ビジネスの創出

ゲームやエンタメ以外でも、教育や観光など様々なビジネス用途でメタバースは利用され始めており、今後、メタバースを主軸とした新規のビジネスの創出が期待されます。
今後、メタバースネイティブ世代がビジネスの中心となっていく時代には、リアルでは無くメタバースのみで完結するビジネスモデルやメタバース内だけで運営する会社も増えていくのではないかと考えています。

世界のボーダレス化

メタバースには国境がありません。
国の壁を超えてアクセスできるメタバースはネットの中のもう一つのビジネスプレースとなりえます。
リアルタイム翻訳などが普及すると言語の壁を超えて世界中とリアルタイムでやり取りができますので、スピード感をもってビジネスを拡大していくチャンスとなります。
個人的にはBtoBの商談で使う企業が非常に増えるのではないかと考えています。

課題

デバイスの普及

課題として最も大きいものが「デバイスの成熟度と普及」だと個人的には考えています。
メタバースはブラウザでもアクセスできますが、やはりVRデバイスでアクセスしたほうが高い没入感を体験できますのでユーザーに驚きや新たな価値を提供するにはVRデバイスの普及が不可欠です。
ガラケーの時代にiPhoneが登場した時も、最初は情報に敏感なアーリーアダプターから使いだし、徐々にその周りの人に普及していきましたのでVRデバイスもそのようになっていくのではないかと考えています。

開発費用

現在、メタバースのワールドを作成する場合、BlenderやUnityなどの3Dモデリングツールを使う必要があります。
これらのソフトはゲーム開発の現場で使われているものですので、使えるクリエイターが非常に少なく、その関係でメタバースの開発費は最低でも数百万かかると言われています。
今後、技術的な進歩やプロジェクトの増加により、参入するクリエイターが増えていくと思われますので、そうなると開発コストは自然と下がっていくと思われます。

法的リスク

メタバースは、不特定多数の人と交流できる空間ですのでトラブルが起こる可能性もあります。
まだこのあたりの法整備が追いついておらず、トラブルやハラスメントの問題を未然に防ぐ手段が不十分な状態です。

メタバースのビジネス活用イメージ

メタバースはゲームなどのエンタメ利用を中心に利用されてますが、徐々にビジネスシーンでの活用事例も増えてきています。いくつか代表的な活用例をご紹介します。

販促活動やマーケティング

メタバース上でイベントを開催するなど、集客やマーケティング用途でメタバースを使う企業が増えています。現在ではホームページは集客に不可欠なものとなりましたが、メタバースも同様にマーケティングツールとして重要なものになると思われます。

コストや手間の削減

建築業界では住宅展示場やモデルハウスとして、メタバースを活用する企業が増えています。なぜなら、メタバースであれば、実際にモデルハウスを建てるコストが不要となり大幅なコスト削減が期待できるからです。

観光施設や地域の活性化

観光施設をメタバース内に再現することで、ユーザーは自宅から気軽に観光ができるようになります。まだ収益化には課題がありますが、交流イベントや地域の魅力を地道に発信することで、実際に現地へ観光に訪れる観光客も増えていくと思われます。

まとめ

現在、メタバースをビジネスに活用しているのは大企業が中心です。
なぜなら数百万円の投資ができるのはある程度の企業規模が必要だからです。

今後、利用ユーザーやクリエイターが増えていくとコストも下がっていくと思われますので、費用対効果を考えて参入できるようになっていくと思われます。
これはインターネットが普及した時のホームページ制作と同様の流れですが、まずは大企業を中心に参入が進み、費用対効果が合うような段階で中小企業でもホームページを作ってみようと増えていった経緯と同じです。

今できることとして、いざそういう時代になった時に乗り遅れないように、過渡期であっても初期投資をあまりかけずにまずは経験しておくというのは重要だと思います。

当社のほうでもテンプレートを使って初期コストをおさえてワールドを構築するサービスを提供しておりますので、とりあえずメタバースを使って何かできないか試してみたいという方もお気軽にご相談いただければと思います。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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