メタバースのプラットフォームには、VRChatやclusterなどいろいろありますが、その中でも「Spatial(スペーシャル)」はリアルな空間やアバターが人気のメタバースです。
今回はSpatialをビジネスに活用する方法について少しご紹介します。
Spatialとは
「Spatial(スペーシャル)」は、アメリカのSpatial社が提供しているメタバースのプラットフォームです。
SpatialはVRゴーグルがなくても、パソコンやスマートフォンからアクセスすることができますし、アカウント登録しなくてもゲストアカウントで利用できるメタバースです。(アカウント登録すると自撮り顔写真をもとに3Dアバターを作成して使えるようになります)
ただ、日本語対応されてませんので全て英語表記です。
実際に公式サイトを見ていただければわかりますが、Spatial内にはたくさんのワールドがあり、イベント開催や、NFTを利用したデジタルコンテンツ販売をしているワールドもあります。
慣れてきたらアバターを用いてチャットや音声、リアクションでコミュニケーションをとってみるのもいいかもしれません。(日本人ユーザーはまだ少ないです)
SpatialよりVRChatのほうがユーザー数は多いのですが、Windowsしか対応しておらずiPhone(iOS)では使えませんので、今後はSpatialを使うユーザーが増えていくと思われます。
Spatialをビジネス活用できる理由
Spatialは無料で商用利用が可能です。
Spatialは商用目的であってもワールドを公開したりイベントを開催したりすることができます。
実際に海外では展示会やセミナーなどのビジネス用途で利用している会社や、美術展やイベントなどの企画も開催されています。
ちなみに国産プラットフォームであるcluster(クラスター)の場合は個人利用は自由ですが、商用目的の利用はクラスター社に制作依頼をする必要があります。(以前聞いた時は500万〜と言われました。)
また、Spatialはワールド構築もテンプレートやオブジェクトを利用することで、専門知識がない人でも簡単なワールドなら作成することができます。なのでまずはメタバースを体験してみたいという法人様に向いてます。
もしこだわって作りたい場合は、3DCGツールのUnityやBlenderなどを使えば、空間デザインを自由自在に作り上げることができますので、よりオリジナリティあるワールドを構築することもできます。
Spatialは無料で使えますが有料版(月額25ドル、年払いは月額20ドル※)もあります。
無料版との違いは、ホストとしてイベントスペースに招待できるユーザー数が無料版の場合は最大で50人までですが、有料版なら最大500人まで(1スペースあたり50人、オーバーフローで10スペースまで可能)増やせますのでイベントを開催する場合は検討してもいいかもしれません。
また、有料版であればそのスペースにいるすべてのユーザーがライブ翻訳を利用することができますので、海外向けのイベントなどにもいいと思います。
Spatialのビジネス活用例
Spatialのビジネス活用事例をいくつかご紹介します。
海外ではビジネスで多く利用されていますが、日本で活用している企業はあまり多くありません。
VR会議
Spatialを使えば、非対面でのコミュニケーションではありますが、アバターを通じて臨場感のあるオンライン会議ができます。
当社でもスタッフミーティングやクライアントとの打ち合わせなどで活用しています。
VRゴーグルを使ってログインすれば、手の動きや視線を感知してアバターを動かしながらコミュニケーションすることも可能です。ファイルの共有などもZOOMと同じようにできます。
イベント開催
Spatialのようなメタバース空間でのイベントは、時間や場所の制約を受けずに参加できるため、今多くの企業が注目してるメタバース活用法です。
Spatialでも2022年8月に「日本メタバースEXPO」が開催され、大企業の事例だけでなく、中小企業や個人などの身近な事例が紹介されていました。
期間中は、セミナーやワークショップ、音楽ライブなど様々なイベントも行われ、Spatialの活用方法としてとてもわかりやすい展示会でした。
また、2022年12月から2023年1月にかけては、NFTの可能性を知る展示会として「Japan NFT expo in メタバース」も開催されました。
メタバースに触れたことのない初心者向けにもわかりやすいように、Zoomによるフォローアップも実施されていたのが親切だと感じました。
バーチャルショップ
Spatialは、MetaMaskと連携できますので、Ethereum・Polygon・SolanaチェーンのNFTを読み込むことができます。
ちなみにNFTとはブロックチェーン技術を利用してデジタル画像の所有者を証明するための技術のことです。
NFTを利用できることで、デジタルアート作品の作成者や購入者が記録され、改ざんや不正もできないため、希少性を保証できるようになります。
Spatial.io公式ガイドクリエーターの「GardenBee」さんはSpatial上のバーチャルフラワーショップとして「メタバースに花束を」をコンセプトとしたバーチャル花屋さんを公開されています。
まとめ
Spatialはリアルな空間やアバターが特徴のメタバースとして今注目のプラットフォームです。
商用利用も可能ですし、テンプレートも簡単に使えるので、今後利用ユーザーが増えていくと個人的には思っています。
ブラウザ経由で使えるメタバースですので、VR会議のバーチャルオフィスとしても使えますし、展示会やセミナー、音楽ライブなどでリアルタイムでコミュニケーションを取るなど、誰でも気軽に使えるメタバースです。
まだメタバースを体験したことがないというビジネスパーソンにも、まずは一度使っていただいてメタバースの可能性を感じていただければと思います。