Webマーケティングにおけるマーケットイン思考

Webマーケティング
Webマーケティングシナリオ

Webマーケティングで成果を出すためには、徹底したユーザー視点が大事です。
ユーザーが求めるホームページでなければ結果が出ないからです。
そこで今回は顧客のニーズに焦点を当てる”マーケットイン”という考え方についてお話します。

マーケットインとは

「マーケットイン(Market In)」とは、ビジネス用語で、ユーザーや市場のニーズを把握して、それに基づいて製品やサービスを開発するアプローチのことを言います。
もともと製造業の製品開発現場で使われていた言葉で、自己満足的な製品ではなく、ユーザーの求める機能や性能を重視した製品を生み出すための手法です。

利点としてはユーザーのニーズに合わせた商品やサービスを開発することで、ある程度の顧客満足度を予想でき、大きな失敗を避けることができます。

マーケットインの逆の言葉として、「プロダクトアウト」というものがあります。
これは企業が自社の独創性を全面に押し出した製品やサービスを開発して、それを市場にリリースして反応を見る手法です。
ユーザーが気が付いてないような新しい価値を広める手法ですので、これまでにない新しいアイデアや技術力が必要となります。

まずはユーザーニーズを把握する

ウチもマーケットインを取り入れたいのですが何から始めたいいですか?

まずはユーザーのニーズを把握するためのリサーチから行いましょう

解像度が高いマーケティングを行うには、入念なリサーチが大事です。

ターゲットユーザーは日々どんな暮らしをして、どのようなことに不満を持ち、どのような消費行動をしているのかを理解しましょう。また、市場のトレンドや競合他社の動向を把握することも大切です。

リサーチの方法としては市場調査、競合分析など様々な方法がありますが、ユーザーインタビューをおすすめします。
ユーザーインタビューの基本的な流れは以下のような感じです。

ユーザーインタビューの流れ

1. インタビューの目的の明確にする

インタビューを行う前に、何のためにインタビューを行うのか目的をはっきりと決めてください。
インタビューをすることが目的になってはいけません。何に焦点を当て、どのような情報を収集するかを事前にイメージしておくことが大事です。

2. ペルソナ設定

製品やサービスを利用するであろうターゲットの性別・年齢・職業などの属性や興味関心などからインタビュー対象となるユーザーのペルソナを具体的に決めましょう。
すでに利用しているユーザーがいる場合は、その人をイメージしてもいいと思います。

3. 質問準備

ユーザーが自分の意見や考えていることを話しやすいような質問を用意しましょう。
あまりガチガチに質問内容や流れを決めてしまうと決まりきったような回答になりがちですので、お話される内容に合わせてある程度柔軟に質問内容を変更できるよう複数のシナリオを用意されることをおすすめします。

4. インタビュー実施

リラックスした雰囲気で話しやすい場所でインタビューを行いましょう。
ユーザー層にもよりますが、カフェなどがいい場合もありますし、インタビューする人もユーザーと同年代の同性が話しやすい事が多いです。

5. ユーザー観察

ユーザーの回答した内容だけでなく、表情やジェスチャー、声のトーンなども観察し、よりユーザーの心理を理解しましょう。

6. データ分析

インタビュー後、収集したデータを分析し、価値観の変化やトレンド、抱える課題の傾向などを整理します。ここから何かアイデアのヒントを見つけましょう。

7. アクションプラン作成

得られた情報や分析結果を元に、具体的なアクションプランを作成します。
プランを作成して満足するのではなく、必ず実行に移しましょう。

ユーザーインタビューで「ユーザーのホンネ」を理解できれば、マーケットインをより効果的かつ有益なものにすることができます。

Webマーケティングにマーケットインを取り入れる

ホームページのリニューアルや集客でも、マーケットインの手法を使うことで成果が出やすくなります。

マーケットインは、企業が自己満足的にホームページを作るのではなく、ユーザーの状況を深く理解した上で、それに沿ったコンテンツを用意して戦略的にアプローチするためのマーケティング手法だからです。

先ほどご紹介したユーザーインタビューで「ユーザーのホンネ」を突き止め、ユーザーの中にある「思わずその商品やサービスが欲しくなる心のスイッチ 」を押せるようなホームページにリニューアルできれば売上や問い合わせは確実に増えます。

ホームページのリニューアルのためだけにユーザーインタビューを行うのは難しいのですが・・・

そのような場合でも、現在のホームページの検索データやChatGPTを使って、ある程度代用することができますのでご紹介します。

まず、Googleアナリティクスなどのデータを見て、ユーザーが検索しているキーワードを把握しましょう。
また、実際に訪問されているキーワードだけでなく、サーチコンソールで表示回数が多いキーワードやラッコキーワードのサジェストキーワードも参考にしましょう。

表示回数が多い順でソートする
https://related-keywords.com/

大体の検索キーワードの傾向がわかったら、そのキーワードで検索している人がどんな事に悩んだり関心があってホームページを見に来ているのか自分なりに仮説を立てておきましょう。

そして、検索キーワード(クエリ)と仮説を立てたらChatGPT相手に壁打ちしていきます。

企画の当たりをつけるプロンプト例

#命令書:
あなたは、Googleで情報収集しているペルソナです。
以下の条件で調べている時の感情や行動を以下の質問にそって答えてください。

#ペルソナ
・社員数30名の企業の経営者
・BtoB
・現在のホームページからの問い合わせが少なくて困っている

#検索クエリ
ホームページリニューアル

#質問
1.ホームページを訪れた目的は何ですか?
2. 今回検索したキーワード以外でどのようなキーワードで検索されましたか?10個ほど教えてください。
3. 不満足を感じる点や改善が必要だと感じる部分はありますか?
4.どのような情報が最も重要だと思いますか?
5.どのような点を優先して発注先を決める予定ですか?
6.どのような会社のホームページと比較したことがありますか?

AI相手ですので、リアルな人間に聞くのとは違い感情がない分、少し薄い感じの回答にはなりますが、ペルソナや質問を変えながら精度を高めていきましょう。

ペルソナが抱えているであろう悩みや関心事がある程度イメージできるようになったら、思いつきでリニューアルするより、顧客のニーズに焦点を当てたマーケットイン”ですので成果は出やすくなるはずです。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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