
ランディングページ制作の相談を受けるとき、多くの企業が「デザインを新しくすれば成果が出る」と考えています。要望として多いのが「競合のLPがカッコいいから、うちも同じようにカッコよくしたい」といった感じだからです。
気持ちはわかります。正直に言うと、私自身も昔はそう考えていた時期がありました。でも、実際には、デザインを変えただけで成果が出るケースはあまり多くありません。それどころか、いかにもLPらしいデザインにしたことで、かえって成果が下がってしまうこともありました。
このページでは、LP改善で失敗しないために、デザインより先に確認すべき3つのポイントを説明します。「何を改善するか」ではなく「なぜ改善するか」を考えることが、成果への近道です。
LP改善で成果が出ないケースの共通点
「いかにもLP」にすれば成果が出ると思い込んでいる
デザイン性の高いLPを見ると、つい「ウチもこういうのを作れば成果が出るんじゃないか」と思ってしまうものです。派手な写真、目を引くキャッチコピー、スクロールに合わせて動くアニメーション。たしかに見栄えは良いと思います。
でも、お客様はデザインだけで判断しているわけではありません。むしろ、商材やターゲットによっては、テキスト中心のシンプルなページのほうが離脱率やCVR(コンバージョン率)が高いケースもあります。
たとえば、BtoBの専門的なサービスや高額商材の場合、派手なLPよりも、しっかりとした情報が整理されたページのほうが信頼されることがあります。お客様が求めているのは「見た目の良さ」ではなく「自分の課題を解決できるかどうか」の判断材料だからです。
思い込みで全面改修してしまうと、取り返しのつかないことになりかねませんので、可能であれば、ABテストで確認してから行いましょう。
何を改善すべきか、現状を把握していない
LP改善の相談で「全部変えたい」「今のLPは古いから、イチから作り直したい」と言われることがあります。
その気持ちもよくわかるのですが、今のLPの何が問題なのか、ちゃんと把握してから改善は行いましょう。
ヒートマップは必ず確認しましょう。お客様がどこを見ているのか、どこで離脱しているのか、データを確認しないままレイアウトを変更すると、良かった部分まで消してしまうことがあるからです。
私がLP改善をサポートする場合、いきなりLPを作り直すのではなく、トップページや主要なページのヒートマップを確認することから始めるケースが実際多いです。お客様が興味を持って見ているポイントを整理してから、「じゃあ、ここを改善しましょう」と提案します。まず現状把握から始める。これが基本です。
【ポイント1】ヒートマップで「お客様が見ているポイント」を確認する
LP改善の前に、トップページや主要ページの分析から
繰り返しになりますが、いきなりLPを作り直すのではなく、既存ページのヒートマップを確認することをおすすめします。
ヒートマップを見ると、お客様がどこに注目しているのか、どこで迷っているのか、どこで離脱しているのかが見えてきます。たとえば、「この商品説明の部分、誰も読んでいないな」とか、「料金表のところで急に離脱率が上がっているな」とか。
実際の事例をひとつ。ある企業のサイトでヒートマップを確認したところ、トップページの自社の強みの部分はほとんど読まれておらず、ページ中盤の事例紹介のところで急にスクロールが止まっていました。つまり、お客様が興味を持っているのは「強み」ではなく「具体的な事例」だったわけです。
この場合、LP改善で力を入れるべきは「いかにすごいのか」ではなく「豊富な事例」です。ヒートマップがなければ、見当違いの改善をしていたかもしれません。
「いかにもLP」が逆効果になることもある
先ほども触れましたが、商材やターゲットによって、テキスト中心のほうが信頼されることがあります。
たとえば、専門性の高いBtoBサービスや、高額なコンサルティング商品の場合、派手なデザインよりも、しっかりとした情報量のほうが安心感を与えます。「この会社、ちゃんとしてるな」と思ってもらうためには、見た目よりも中身なんです。
逆に、BtoC向けの商品で、感覚的に「いいな」と思わせたい場合は、ビジュアル重視のLPが効果的です。商材によって、正解が違います。
だからこそ、ABテストで確認することが大事です。デザイン先行ではなく、必要な情報の質を考える。お客様が何を求めているのかを見極める。これがLP改善の第一歩です。
【ポイント2】ファーストビューに全力を注ぐ
ファーストビューが7〜8割を決める
LP改善において、ファーストビューは最も重要です。ここで離脱されたら、いくら良いことを書いていても読まれません。私の感覚では、ファーストビューが成果の7〜8割を決めると思っています。
ファーストビューで伝えるべきことは、大きく分けて2つ。「このページは自分に関係がある」と思ってもらうことと、「続きを読みたい」と思ってもらうことです。
写真で訴求するか、キャッチコピーで訴求するか。これは商材によってケースバイケースです。たとえば、リフォームや美容系のサービスなら、ビフォーアフターの写真が効果的ですし、BtoBのコンサルティングサービスなら、明確な課題提起のキャッチコピーのほうが刺さります。
また、バランスも大事です。写真ばかりで説明がないと「何のページ?」となりますし、文字だけだと読む気が失せます。商材やターゲットに合わせて、最適なバランスを見つけることが求められます。
予算や時間がない場合は、ファーストビューだけ改善する
正直に言うと、LPを作るには時間もコストもかかります。全面的にリニューアルするとなると、数ヶ月かかることもあります。
もし、予算や時間がない場合は、ファーストビューだけ改善するという選択肢もあります。いきなり全面改修するのではなく、まずファーストビューを変えてみて、直帰率や閲覧時間がどう変わったか確認する。
もしファーストビューを変えただけで成果が改善されれば、広告費に予算を回せます。逆に、ファーストビューを変えても変化がなければ、問題は別のところにあるということです。段階的に改善していくほうが、リスクも少ないですし、成果も見えやすいんです。
【ポイント3】オファーのハードル設定を見直す
ファーストビューで興味を持たせても、オファーで躓く
ファーストビューで興味を持ってもらえたとしても、最終的にコンバージョンに繋がらなければ意味がありません。そこで重要になるのが、オファーのハードル設定です。
オファーのハードルが高すぎると、お客様は「まだ早い」と感じてコンバージョンしません。たとえば、初めて訪問したページでいきなり「今すぐ電話」と言われても、なかなか踏み切れませんよね。
逆に、ハードルが低すぎても問題です。「資料請求」や「無料相談」のハードルを下げすぎると、冷やかしの問い合わせばかりが増えて、ビジネスの成果に結びつかないことがあります。
このバランスは、ビジネスでの経験値が重要になります。競合の状況、商材の特性、お客様のリテラシー。これらを総合的に判断して、最適なオファーを設計する必要があるんです。
「逆転の切り札」としてのオファー設計
余談ですが、オファーは「逆転の切り札」になることがあります。
たとえば、一見パッとしないLPでも、「特典」を用意することでコンバージョン率が向上することがあります。例えば、「初回限定で〇〇プレゼント」とか、「今なら送料無料」とか。お客様の背中を押す最後の一押しになるわけです。
中小企業が見落としがちなのは、このオファーの考え方です。「うちには特典なんてない」と思い込んでいるケースが多いのですが、少し工夫すれば、お客様にとって魅力的なオファーは作れます。
たとえば、BtoBのサービスなら「無料診断レポート」や「業界データ資料」をプレゼントするとか。お客様が「これ、欲しい」と思えるものを用意することで、コンバージョン率は大きく変わります。
競合状況や緊急性を踏まえた柔軟な設計が求められますが、ここに力を入れる価値は十分にあります。
LP改善の前に考えるべきこと
手段が目的化していないか?
ここまでLP改善の具体的なポイントを説明してきましたが、最後に一番大事なことを伝えたいと思います。それは、「LP改善すれば成果が出る」という思い込みから抜け出すことです。
LP改善は、あくまで手段です。目的は「成果を出すこと」であって、「LPを作り直すこと」ではありません。でも、いつの間にか手段が目的化してしまっているケースが少なくありません。
私がいつも大事にしているのは、問題解決力より問題発見力です。「LPを改善したい」という相談を受けたとき、まず考えるのは「本当にLP改善が必要なのか?」ということ。もしかしたら、LP以前の問題があるかもしれません。たとえば、そもそも集客がうまくいっていないとか、商品やサービス自体に課題があるとか。
LP改善が本当に必要なのか、立ち止まって考えることが大切です。
まずは「何を伝えるべきか」を明確にする
LP制作で陥りがちな罠があります。それは、「自分たちが伝えたいこと」をLPに詰め込もうとすることです。
「うちの技術はすごい」「うちのサービスは他社と違う」。たしかにそうかもしれませんが、お客様が知りたいのは「それで、自分にどんなメリットがあるのか?」です。
軸がブレると、どんなに改善しても成果は出ません。まずは「何を伝えるべきか」を明確にする。お客様が求める情報を届けることが、LP改善の本質です。
まとめ
LP改善は、デザインを変えることではなく、お客様が求める情報が伝わることです。
まず確認すべきは、ヒートマップで「お客様が見ているポイント」を把握すること。次に、ファーストビューに全力を注ぐこと。そして、オファーのハードル設定を見直すこと。この3つを確認してから改善に着手すれば、失敗のリスクは大きく減ります。

「何を改善するか」ではなく「なぜ改善するか」を考える。これが、成果に繋がるLP改善の第一歩なのです。

