【失敗事例】自社のアフィリエイトサイトはなぜ失敗したのか

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Webマーケティングシナリオ

なぜアフィリエイトサイトを作ったのか

以前からアフィリエイトには個人的に興味がありました。
なぜならSEOで上位表示できたらストック収益が期待できるからです。

ただ当時は、ホームページ制作やコンサルの仕事で忙しかったのもあり、あまり積極的に時間をとってまでアフィリエイトサイトを作ろうとまでは考えていませんでした。

当社は企業ホームページを成果報酬型でWebコンサルしてますので、直接企業とアフィリエイト契約をしているようなものだからです。

またASPを通したアフィリエイト案件の場合、直接クライアント様から依頼されていないので、商品やサービスについて直接ヒアリングもできませんし、間接的にしか関われないことで、本当にモチベーションがあがるのかという疑問もありました。

なぜアフィリエイトサイトを作ったのかといいますと実験をしたかったからです

ちょうどその頃、レンシェアMALLの営業用リストとしてレンタル会社のデータを5万件ほど購入しました。たしかタウンページのデータだったと思います。

その当時のSEOのアルゴリズムとして、ページ数が多いホームページは高く評価され上位に表示されやすいという特徴がありました。

それであれば、このタウンページのデータを使って5万ページ規模のサイトを自動生成できないかとプログラマーに相談したところ、CSVデータからページを生成するシステムなら作れるということでした。

そこで、5万ページ規模のホームページを手間をかけずに作れるのであれば、SEOの実験もかねてアフィリエイトサイトを作ってみようと考えたのです。

この作戦がうまくいくのであれば、その他のジャンルのデータも購入して横展開でホームページを増やしていけば、収益を増やせるのではないかという甘い考えもありました。

5万ページ規模のサイトはSEOで集客できたのか

作ってもらったシステムにCSVデータを取り込むと5万ページ規模のホームページがわずか数分で出来ました。

トップページ

店舗ページ

店舗名や住所など基本情報だけのページですのでコンテンツとしては薄いのですが、ページ数だけで言えば5万ページ規模のホームページです。

これまで手動で1ページずつ作っていた時からは考えられないスピードでホームページが完成したことがとても嬉しかったのを思い出します。

もちろん最初はアクセス数がゼロの日が続きましたが、少しずつ被リンクを入れていくとページのインデックス数が増えていき、半年もすれば1日300pv程度に増えてました。

ただ、コンテンツが薄いので、「レンタル バイク」レンタル 着物」などのキーワードで上位表示することはできていません。

予想外だったのが、店名などの指名ワードで検索しているのはお客様だけではなく、想像以上にその会社の関係者が意外と多く「内容をこちらで更新したい」「もっと写真を掲載したい」などの要望が入るようになりました。

その時は膨大なレンタルショップが登録されているだけのリンク集状態でしたが、将来的な構想として、すでに自社のサイトをもっていて、その集客をしたいというショップが登録するサイトにして、送客での課金や固定掲載費をマネタイズとしても考えていましたので、システムを改造してもらい店舗側でも情報を更新できるようにしました。

また、「レンタルリクエスト」というコーナーも新たに作りました。

Yahoo知恵袋のような感じで「こんな商品をレンタルで探している」「こんな用途でもレンタルで大丈夫ですか?」というようなレンタルに関する質問を書き込んでいただき、それに会員登録していただいたショップが答えていくようなコーナーです。

この狙いとして、ユーザーのリクエストが増えてきたら、「御社の商品を探されているユーザーがいるのでホームページで紹介していいですか?」と営業しやすくするためでもありました。

たんなるリンク集の状態からコンテンツも充実してきましたので、同じシステムを使ってペットショップの登録サイトも作成しました。

ペットショップ検索サイト ワン探

これはアフィリエイトサイトとしてではなく、当時、老犬向けサプリをレベニューシェアで販売してましたので、そのホームページのバックリンク用としてSEOで活用するためのものです。

このペットショップ検索サイト「ワン探」も1年ほどたつと1000pv/日ほどのサイトに成長していきました。

クレームしか入らずに撤退。そして気がついた事

ある程度、アクセス数が安定したところで、アフィリエイトのバナーを入れていきました。

ただ、増えたのは報酬ではなくクレームでした・・・

タウンページに公開されてる情報なので、勝手に掲載してもクレームにはならないだろうと思っていたのですが、「何で勝手にウチの情報を掲載してるんだ!」「掲載されている内容が違う!」といった内容のメールや電話がアクセス数とともに増えてきました。

お店のPRになって喜んでいただけると勝手に思っていたのですが、どうも違うようです。

クレームが入るとページ削除や内容変更などの対応をする必要があり、だんだんと業務に支障が出てきましたので、最終的には閉鎖することを決めました。

この時点でアクセス数は日に数千pvほどに増えていましたが、アフィリエイトの報酬はほぼゼロの状態でした。

このプロジェクトから学んだこととして、 ページ数が多いだけの中身が薄いホームページはいくらアクセス数が増えても、自己満足以外にあまり意味がないということです。

たとえ、ページ数が少なくても、1ページ1ページに思いがこもったホームページのほうがユーザーの役にたち、収益にはつながると確信しました。

現在ではChatGPTで吐き出す大規模なホームページも簡単に作れる時代ですが、Googleなどの検索エンジンは私たち凡人が考えているより、細かなシグナルで人がちゃんと考えて作っているかを見極められるようになってきています。

小手先だけのSEOテクニックは必ずバレてペナルティをくらいますので、真面目にホームページを作っている人が最終的には必ず勝ちます。

私たち制作者側もただシステムに依存するだけの無機質なホームページを作るのではなく、人としてクリエイターとしてのアイデアが詰まった人間味があるホームページを求められる時代になってると思います。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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