「LP全体を作り直したい」と思ったとき、いったん立ち止まってほしい理由

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HPリニューアルシナリオ

思ったようにコンバージョンが取れない・・・だから構成もデザインも、いっそLP全体を作り直してしまいたい!という気持ちはよくわかります。

ただ、私はここで一度立ち止まって考えることも大事だと思っています。LP全体を作り変える手間とコストを考えた時、その全面リニューアルは本当に必要なのか。そもそも「CVRが低い」という理由だけで、LP全体に原因があるとは言えません。

なぜ「全部作り直したい」となってしまうのか

CVRが低い=LPが悪いはず。そう感じてしまうのは、ごく自然な事だと思います。ただ、CVRひとつしか見えていないと、原因もざっくり「LP全体が悪い」と捉えてしまいがちです。

問題は、全面リニューアルが手間もコストもなかなか大きいという点です。文章を書き直し、ページの流れも替えて、デザインも刷新する。これだけやって、必ず成果が出る保証があればやるべきですが、実際にそうなるとは限りません。

あと、あまり語られない落とし穴があります。

現在のLP内には、問題がある箇所と、ちゃんと機能している箇所が混在しているということです。全部を一度に作り直すということは、うまくいっていた部分まで一緒に壊してしまう可能性があります。

LPを作り替えたら、かえって数字が落ちたということは、正直なところよくあることです。

作り直す前に、まず「どこに問題があるのか」を把握する

私は、LPのご相談をいただいたら、まず現在のLPのヒートマップを確認して、ユーザーが実際にページの上でどう動いているのかを把握します。

どこまで読み進められているのか、どこで離脱しているのか、コンバージョンに至る導線のどこで止まっているのか。それを分けて見ていくことが大事です。

そうすると、「ページ全体が悪い」という漠然とした話が、「この箇所に課題がある」という仮説になります。ここまで絞り込めて込めて初めて次にやるべきことが決まるのです。

逆に言えば、この手間を省いて作り直すのは、地図を確認せずに歩き出すのに近いと思っています。

私はよく「問題解決より問題発見のほうが大事だ」という話をするのですが、全体を作り直すというのは、いわば大きな問題解決です。でもその前に、本当に解くべき問題はどこにあるのか問題を見つけること。この順番を守れるかどうかで、かける手間とコストの意味がまるで変わってきます。

感覚で決めると、再現性が生まれない

いちばん危ういのは「なんとなくここが原因かも」で改善箇所を決めてしまうことです。仮に一度はそれでうまくいったとしても、次に同じ結果が出るとは限りません。たまたまは、続かないからです。

ヒートマップやアクセスデータを見るのは、当てにいくためというより、仮説に根拠を持たせるためです。「ここが原因ではないか」という仮説を、数字で裏づけてから動く。

当たっていれば次の改善に活き、外れていてもなぜ外れたのかがわかります。どちらに転んでも学びが残る進め方でないと、改善は再現できないと思っています。

綺麗すぎて、かえって伝わらなかったファーストビュー

ひとつ、印象に残っている事例があります。具体的な社名は出せないのですが、BtoB向けのサービスサイトで、やはり「LPを全面リニューアルしたい」というご相談でした。

ところが実際にページを拝見すると、これがよくできているんです。デザインもよく出来ていて、情報もきちんと収まっています。最初にパッと見た時に「どこが悪いんだろう」と思うくらい、完成度が高かったのです。

こういうときのほうが、かえって原因は見えにくいものです。あからさまに悪い箇所があれば仮説は立てやすいのですが、それなりに完成したLPだと、逆にどこが足を引っ張っているのか掴みづらい。

何度か見ていくうちに引っかかったのが、ファーストビューでした。綺麗に整いすぎていることで、このサービスが結局のところ何なのか?がパッと見て伝わっていなかったのです。訪れた人は、「これは何をしてくれるサービスなんだろう」と伝わらないまま、離れていっていく人がデータを見ても一定数いました。

そこで、ファーストビューにぱっと見てわかりやすいイラストを入れて、何のサービスなのかがひと目で伝わるように見直しました。整ったイメージを少し崩してでも、まず「何のサービスか」が伝わることを優先したのです。すると離脱率が下がり、コンバージョンも増えました。触ったのはファーストビューだけです。

この事例が教えてくれるのは、デザイナーが作り込んだ綺麗さと、初めて訪れた人が数秒で理解できる伝わりやすさは、別物だということです。

前者はどうしても作り手の目線になりがちで、後者は徹底してユーザー側です。よくできたLPほど、この二つがすり替わっていることに気づきにくいのです。だからこそ、作り手の目線ではなく、来た人の目線でページを見直すことが大事です。

部分的に改善しながら、PDCAを回す

私のやり方として、全部を一度に直すのではなく、仮説を立てて一点を改善し、数字で検証して、また次へ、という積み上げをよくやります。さきほどのファーストビューの事例も、そこを直して数字を確認したら、次はどこか、と続いていきます。地味に聞こえるかもしれませんが、これがいちばん確実だと感じています。

なぜこの進め方にこだわるのか。正直に言うと、立場の違いが大きいと思っています。制作会社は作り直せば売上になりますが、成果報酬型コンサルだと「作り直しても成果が出なければ意味がない」という立場ですので、そもそも問題の捉え方が違うのです。

当社は後者側なので、安易な全面リニューアルという選択肢を、行う理由がなく、むしろ、最小の手間で最大の効果を出すにはどうしたらいいか、という考え方が体に染みついています。

もちろん、LP全体を作り直したほうがいいケースもあります。ただその判断も、まず部分的にテストを行ってからでも遅くはないと思います。

分解して、どこに何割の影響があるのかを掴んだうえで「これは部分改善では追いつかない」と結論が出たなら、そこで初めて全面リニューアルに踏み切ればいいからです。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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