
「ホームページをリニューアルしたけど、全然成果が出ない」
このような声を、これまで何度も聞いてきました。
長年この仕事をしていると、成功するリニューアルと失敗するリニューアルの違いが、だんだんと見えてきます。
よくある失敗パターンとして
- 最初は「問い合わせを増やしたい」と言っていたのに、途中で「やっぱりデザインを重視したい」と変わる
- 制作会社に「カッコイイサイトにしてください」と丸投げして、出来上がったものが「なんとなく整った」だけのサイトになる
- 関係者の意見がまとまらず、プロジェクトが進まず、途中で頓挫する
なぜこうなるのか・・・
実は、失敗は制作が始まる前に決まっていることが多いのです。具体的には、依頼する前に「リニューアルの目的」が整理できていないことが原因です。
リニューアルの目的を整理するためのRFP(提案依頼書)とは何か
そこで、RFP(提案依頼書)を作ることをおすすめします。
RFPとは、Request for Proposalの略で、サイト制作の目的や課題、求める成果をまとめた依頼書のことです。制作側に「何を達成したいのか」を伝えるための設計図のようなものです。
これがしっかりしていると、制作会社も正確な方向性で提案でき、見積もりやスケジュールも現実的なものになります。
ただ、正直に言うと、中小企業ではRFPという概念自体を知らない人が多いです。
「Webのプロである制作会社にお願いすれば、良いサイトを作ってくれるんじゃないの?」と思っている経営者や担当者がほとんどです。でも、それは大きな誤解です。
RFPは、制作会社への「発注書」ではありません。これからのサイトの未来像を共有するためのものです。完成形を一緒に思い描ける内容になっていれば、それだけで良いスタートラインに立てるのです。
RFPがあると、何が変わるのか
では、RFPがあると具体的に何が変わるのか。私の経験から、3つのメリットをお伝えします。
1. 関係者全員が共通認識を持てる
通常、ホームページリニューアルには、社長、担当者、制作会社など、複数の人が関わります。RFPがあることで、全員が同じ方向を向くようになります。
途中で「やっぱりこうしたい」と言い出す人が減ります。なぜなら、最初に「こうする」と決めたことが文書化されているからです。
2. Web制作会社が正確な提案をできる
制作のプロであるWeb制作会社も、クライアントの頭の中まではわかりません。「カッコイイサイトにしてください」と言われても、何をもって「カッコイイ」のか分かりません。
でも、RFPに「ターゲットは30代のビジネスマン層で、信頼を与えるデザインにしたい」と書いてあれば、Web制作会社も具体的な提案ができます。見積もりも、必要な機能や作業量が分かるので、ブレも少なくなります。
3. 自社の課題が整理される
実は、これが一番大きなメリットです。
RFPを書く過程で、自分たちの頭の中が整理されます。「なぜリニューアルしたいのか」「今、何が問題なのか」「本当に達成したいことは何なのか」。こういったことを言語化することで、本当の課題が見えてくるんです。
私がクライアントと一緒にRFPを作っていると、「あれ、うちが本当に解決したいのは、これじゃないかもしれない」と気づかれる瞬間があります。この気づきこそが、成果を出すための第一歩です。
逆に、RFPがないとどうなるか。
思いつきで話す人は、ころころとやりたいことが変わってしまう傾向があります。「やっぱりこの機能も欲しい」「デザインはこっちの方が良い」と、プロジェクトが進まなくなります。
最悪の場合、途中で頓挫するケースもあります。予算が膨らみ、スケジュールが遅れ、関係者が疲弊して、「もういいや」となってしまうのです。
私も何度か、そういうプロジェクトを見てきました。後から「あの時、ちゃんと整理しておけば良かった」と後悔しても、時間は戻りません。
成果を出すRFPに必要な要素
では、具体的にRFPには何を書けば良いのか。成果を出すために必要な要素を5つ、お伝えします。
1. なぜリニューアルしたいのか(目的)
まず大切なのは、RFPの中で「なぜリニューアルしたいのか」が明確になっていることです。
- デザインを新しくしたいのか
- 問い合わせ数を増やしたいのか
- 採用を強化したいのか
- 商品の販売を増やしたいのか
目的が曖昧だと、制作会社は判断基準を持てません。最終的に「なんとなく整った」だけのサイトになってしまう可能性があります。
目的によって、手段や提案内容が変わってくるからです。例えば、問い合わせを増やしたいなら、問い合わせフォームの改善や導線設計が重要になります。採用を強化したいなら、社員インタビューや社風が伝わるコンテンツが必要です。
2. 現状の課題と数字
次に、現状の課題を整理します。加えて、対象範囲の整理も必要です。
- 今、何が問題なのか
- どのページを対象にするのか
- 今、どのように更新を行っているのか
そして、ここで重要なのが、現状を数字で把握することです。
「なんとなくアクセスが少ない気がする」ではなく、「月間のアクセス数は○○で、問い合わせ数は△△件」と具体的に把握することが大事です。
数字で現状を把握しないと、目標も立てられませんし、リニューアル後の成果も測定できません。
3. ターゲット層
あわせて、想定しているユーザーやターゲット層も共有できると、より効果的です。
- 誰に向けたサイトなのか
- どんなユーザーに来てほしいのか
- そのユーザーは、どんな課題を抱えているのか
ターゲットが明確だと、デザインもコンテンツも、方向性が定まります。
4. 具体的な成果目標
また、目標とする成果も「SEOもしっかり行う」といった曖昧な表現ではなく、「検索エンジンからの流入を前年比20%増」といった具体的な数字になっている方が、必要となる改善プランを制作会社も算段しやすくなります。
曖昧な目標だと、達成したかどうかも分かりません。でも、数字で示せば、「達成した」「達成できなかった」が明確になります。
そして、もし達成できなかった場合も、「なぜ達成できなかったのか」を分析して、次の改善につなげられます。
5. 予算とスケジュール
最後に、予算とスケジュールです。
現実的な予算を示すことで、制作会社も「この予算でできること」を提案しやすくなります。予算が分からないと、制作会社も提案の幅を絞れず、見積もりが出しにくくなります。
スケジュールも同様です。「いつまでに完成させたいのか」が明確だと、逆算して必要な作業を計画できます。
参考までに当社がヒアリングしてる内容
参考までに、私たちは最初の問い合わせの時に、クライアントにこんなことを聞いています。
現状のサイト運営状況(ざっとした平均値でかまいません)
- 売上金額: 円/月
- 受注数: 件/月
- 見積依頼件数: 件/月
- 見積依頼から注文になる件数: 件/月
- アクセス数: /日
- ネット広告費: 円/月
- 売れ筋商品:1位、2位、3位
今後の目標(1年後ぐらいで)
- 目標売上金額: 円/月
その他
- 貴社の商品の特長を20秒以内で説明してください。
- 貴社商品に関して、競合となる商品名と、そのURL(ホームページのアドレス)をいくつか教えてください。
- 【競合商品名】
- 【競合URL】
- 【良いと思う所】
なぜこれを聞くのか。理由があります。
数字で現状を把握しないと、目標も立てられないからです。
「売上を増やしたい」という漠然とした希望ではなく、「今、月300万円で、1年後に500万円にしたい」と具体的になれば、必要な施策も見えてきます。
見積依頼件数と注文件数の比率を見れば、問題がどこにあるのかも分かります。見積依頼は多いのに注文が少ないなら、価格設定や提案内容に問題があるかもしれません。逆に、見積依頼自体が少ないなら、集客が課題です。
また、「貴社の商品の特長を20秒以内で説明してください」という質問、これは意地悪でも何でもありません。
もし20秒で説明できないなら、ホームページでも伝わりません。ユーザーは、あなたのサイトを隅々まで読んでくれるわけではありません。数秒で「この会社は何をしているのか」を理解できなければ、離脱してしまいます。
だから、まずは自分たちで「うちは何を提供しているのか」を短く説明できるようにする。これが、ホームページの成果を出す第一歩です。
それと、競合を分析することも重要です。競合のホームページを見て、「良いと思う所」を挙げてもらいます。
なぜなら、競合を知らずに自社サイトを作っても、差別化できないからです。「うちの強みは○○です」と言っても、競合も同じことを言っていたら、ユーザーには違いが分かりません。
競合の良いところを知り、その上で「うちは、ここが違う」と明確に示す。これができて初めて、選ばれるサイトになります。
RFPを一人で作るのは意外と難しい
ここまで読んで、「なるほど、RFPが大事なのは分かった。でも、自分で書けるだろうか」と不安になったかもしれません。
正直に言います。一人でRFPを作るのは、意外と難しいです。
私たちも、クライアントにテンプレートを渡すことがありますが、ほとんどの人が、うまく書けません。
なぜなら、自分たちの課題を客観的に見るのは難しいからです。「何が問題なのか」を言語化するのは、思っている以上に大変な作業です。
だから、私たちは一緒に作ります。
ヒアリングしながら、クライアントの頭の中を整理していきます。「今、こういう問題があるんですね」「本当に達成したいのは、これですか?」と問いかけながら、少しずつRFPの形にしていきます。
この過程で、クライアント自身が「あ、そうか。うちの問題はこれだったのか」と気づく瞬間があります。この気づきが、プロジェクト成功の鍵になるんです。
私たちの役割は「制作」ではなく「プロデュース」
ここで、私たちの立ち位置について、はっきりお伝えしたいことがあります。

私たちは、制作会社ではありません。成果を出すためのプロデュースが本業です。
もちろん、サイト制作もできます。でも、それは手段の一つに過ぎません。私が本当にやりたいのは、クライアントとクリエイターの間に入って、プロジェクト全体をプロデュースして成果を出すことです。
具体的には、こんなことをしています。
- クライアントと一緒にRFPを作る
- クリエイターに正確に要件を伝える
- プロジェクトが方向性を見失わないよう、舵取りをする
- 完成後も、成果が出ているか検証し、改善を続ける
クライアントは、自社の事業には詳しいですが、Webマーケティングの専門家ではありません。クリエイターは、制作のプロですが、クライアントの事業やビジネスについて詳しくは理解できません。
だから、間に入るプロデューサーが必要なんです。通訳のような役割です。
そして、私たちは今後、RFP作りから全体をプロデュースする仕事を、もっと増やしていきたいと考えています。
なぜなら、最初のRFPがしっかりしていれば、プロジェクトの成功率が劇的に上がることを、経験から知っているからです。
まとめ:制作会社にリニューアルを丸投げしない
ホームページリニューアルは、制作会社に丸投げしてもうまくいきません。
まず、依頼する前に、自社で整理することが大事です。RFPを作ることで、関係者全員が共通認識を持ち、制作会社も正確な提案ができ、そして何より、自社の課題が整理されます。
RFPは発注書ではなく、これからのサイトの未来像を共有するためのものです。完成形を一緒に思い描ける内容になっていれば、それだけで良いスタートラインに立てるはずです。
もし、一人で書くのが難しければ、私たちと一緒に作りましょう。
ヒアリングをしながら、頭の中を整理し、本当の課題を見つけ、成果が出るRFPを作る。そして、そのRFPを元に、制作会社と一緒に、あなたの会社の成果が出るホームページを作っていく。
それが、私たちの仕事です。

もし、「ホームページをリニューアルしたいけど、何から始めればいいか分からない」と感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。
一緒に、RFPを作るところから始めましょう

