成果報酬型のビジネスモデルは本当にベストなのか

レベニューシェア
シナリオレベニューシェア

当社では15年以上前から成果報酬型でWebコンサルをしています。
このような成果報酬でのビジネスモデルを自分たちでは普通の事だと思っていましたが、お会いした人にお話しするととても驚かれます。
そこで今回は成果報酬型でのビジネスモデルのメリット・デメリットなどについて少しお話したいと思います。

成果報酬型ビジネスモデルとは

通常、何か仕事を依頼するとなると、作業量やかかった時間に対して費用を請求されます。
それが、「成果報酬」で依頼する場合は、成果が出てから費用が発生するようになります。

成果報酬の言い方として「レベニューシェア」ということがありますが、これは収益(Revenue)を分配(Sharing)するという意味からきてます。
発注側と受注側が利益とリスクをシェアするというビジネスモデルだからです。

また、事業で得た収益から経費を引いた「利益」を分配する契約形態である「プロフィットシェア」というものもあります。

成果報酬型のビジネスモデルは意外と多い

ECサイトなどは、売り上げが数値で把握しやすいため、レベニューシェアでの契約に適しています。

しかしよくよく考えると世の中には成果報酬がビジネスモデルに組み込まれている業種は意外とあります。

弁護士の場合も事件の解決時に成功報酬で弁護士費用を請求されてますし、不動産会社も物件の成約時に成果報酬の手数料が発生するビジネスモデルです。

また、個人でも保険会社の営業の方などはフルコミッションでないにしろ、契約バックの比率が高いので、成果報酬型で働いてることになります。

完全成果報酬型と成果報酬型との違い

よく誤解されることがありますが、成果報酬だからと言って「完全成果報酬」ばかりではありません。

何を成果にして成果報酬を設定するかにもよりますが、最低限の固定費や初期費用が発生する場合もあります。

私たちは制作やプロデュースしたホームページから生み出される収益をあらかじめ決めた割合で分配しながらWebコンサルを提供しています。

毎月いくらと決まった金額のコンサル費をいただくかわりに、売上の一定パーセンテージを成果報酬でいただいています。
ただし、最初のホームページ制作費や毎月の広告費の一部をご負担していただく事が多いです。

「完全成果報酬型」の場合、成果が無ければ費用は一切発生しませんが、そのリスク分を成果報酬で回収しないといけない分、成果報酬率を高めに設定しないといけないので、当社では基本的に採用していません。

短期的なプロジェクトであれば、それでもいいと思いますが、リスクと収益を適正に配分できないプロジェクトを続けていくのは難しいのではないかと考えてます。

個人的にはどちらかが一方的にリスクを背負うのではなく、適正な配分で収益をシェアすることで、プロジェクトはうまくいくと思っているからです。

成果報酬型のメリットとリスク

どのビジネスも同じですが、成果報酬で契約する場合にもメリット・デメリットはあります。

成果報酬にする一番のメリットは、関係者に緊張感が出て、モチベーションが高くなることだと思います。

ただ、費用をもらって作業を代行するだけなら、少しでもラクしようという心理が働きがちですが(笑)、成果報酬の場合は、成果が出ないと利益が出ませんので少しでも結果が出るように努力します。

私たちも売上が伸びて、成果が出ているサイトはどんどん改善を行って、さらに売上が増えるといういいスパイラルが出来ますが、売上が下降気味で赤字のサイトはどうしてもモチベーションが低くなりがちです。

このように、メンタルに与える影響が大きいのも成果報酬で契約する場合のメリットでもあり、デメリットとも言えます。

成果報酬型にリスクはつきもの

うまくいったときは成果報酬がいい場合がありますが、収益化できずに失敗した場合、成果報酬だとダメージは大きくなります。

普通のホームページ制作ぐらいのプロジェクトであれば、何十万かの投資でいいのですが、サイトの規模が大きかったり、システムへの投資がかさむと何百万〜数千万単位での大きな損失を抱える可能性もあります。

そう考えると、受託でホームページやシステムを受注したほうが、手離れが格段にいいです。

私は業者扱いされるのが嫌なので、リスクをとって成果報酬でプロジェクトを請け負うことが多いのですが、スタッフを多く抱えている会社は多くの固定費が必要なので成果報酬はそもそも出来ないと思います。

金の切れ目が縁の切れ目ですので、取引先との関係だけでなく、スタッフとの関係性も悪化しますので、リスクがとても高いビジネスモデルだとも言えます。

成果報酬の配分率はいくらが妥当なのか

成果報酬契約での売り上げの配分率は「いくらにすれば適正」という相場的なものはありません。

あくまで個人的な感覚ですが、売上の何割という感じではなく、いくらぐらい利益が残れば継続していけるのかという部分で、粗利の2割程度ではないかと考えています。

それより多いと、販管費の割合にもよりますが、利益が残らずやる意味がなくなりますし、それより少ないと運営者側の取り分が少ないように感じます。

仕入を伴う小売業であれば粗利が小さいので、2割未満に抑えるとなると、レベニューシェアでやる意味があまりないように思えます。

私たちも、粗利や商品単価が低いケースはお断りする場合が多く、現在取り組んでいるプロジェクトもBtoCでは客単価が数十万、BtoBになると数百万円ぐらいが目安となっています。

成果報酬のプロジェクトを成功させるためには

成果報酬型で仕事をする上で大事なことがあります。

それはお互いを信用できるのかということです。

チームのような感じで楽しみながらやるぐらいでないとうまくいきません。

私たちもクライアントのことをお客さんだとはあまり思っておらず(すみません)、どちらかと言えば、結果を出して喜び合う仲間だという認識です。

もちろん私たちも100%はありませんので、失敗することもありますが、そのような時も、仲間のために努力しようと思えるからです。

それぐらいの良い関係性を構築できれば、自然とプロジェクトはいい方向に行くのではないかと考えています。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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