検索ボリュームに騙されない!コンバージョンしやすいキーワードの見つけ方

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SEO対策を行う場合、まずはターゲットとするキーワードの検索ボリュームの数字を見ると思います。月間検索数が大きいほど、なんとなく「これはコンバージョンが増えそうだ」と思ってしまう。多くの企業がこの罠にはまっています。検索数が多い=売れる、という幻想です。

私は20年以上、Web集客の現場に立ち続けてきました。その中で何度も見てきたのが、「ビッグキーワードで上位表示できたのに、思ったほど問い合わせが増えない」という現実です。一方で、検索ボリュームがほぼゼロのキーワードから、コンバージョンが生まれ続けているケースもあります。

正直に言うと、検索ボリュームという数字は目安にはなりますが、それだけでキーワードを絞り込んではいけません。本当に大事なのは、ユーザーの課題と自社の独自性が重なる部分を見つけることです。今回は、コンバージョンしやすいキーワードの本質的な見つけ方についてお話しします。

検索ボリュームの罠。ビッグキーワードで失敗する理由

SEOツールで検索ボリュームを調べると、どうしても目がいくのは検索数の大きいビッグキーワードです。月間検索数が数万とか表示されると、「ここで上位表示できれば、大量のコンバージョンが見込める」と考えてしまうのは、マーケティング担当者なら当然の心理です。

ただ、私たちのように長年現場に立っていると、このビッグキーワード戦略がうまくいかないケースを何度も見てきました。労力をかけて上位表示を実現しても、思ったほどコンバージョン数は増えないことがあります。なぜなら、1ワードのキーワードというのは、実際にはユーザーの購買意欲がどの段階なのか、どんな課題を抱えているのか、見えにくいケースが多く、ユーザーが本当に何を求めているかが見えません。

なのに検索ボリュームが大きいというだけで、企業側の都合や「このキーワードで上位表示できれば」という思いだけが強くなってしまうからです。

「カーポート」と検索する人、「カーポート サイズ プリウス」と検索する人

わかりやすい例を挙げましょう。「カーポート」というビッグキーワードがあります。検索ボリュームは大きいですが、このキーワードで検索する人は、まだ情報収集の段階の場合がほとんどです。「カーポートってどんなものがあるんだろう」「値段の相場は?」といった、漠然とした興味の段階かもしれません。購買意欲があるかどうかは、まだわからない。それなのに、リスティング広告のクリック単価は高いです。

一方で、「カーポート サイズ プリウス」と検索する人はどうでしょうか。この人は、すでに自分の車種がプリウスであることを知っていて、カーポートのサイズが合うかどうかを調べています。つまり、具体的な課題を持っていて、購入直前の段階にいる可能性が高いのです。

検索ボリュームで比較すると、「カーポート」は圧倒的に多いでしょう。でも「カーポート サイズ プリウス」はほぼゼロかもしれません。SEOツールでは「0」や「10」と表示されることもあります。しかし、このロングテールキーワードで検索する人の方が、はるかにコンバージョンしやすいのです。

キーワードの具体性は、そのままユーザーの購買意欲の高さを表しています。検索意図が明確であればあるほど、コンバージョン率は高くなります。検索数は少なくても、ユーザーの課題が手に取るようにわかるキーワードの方が、実は価値が高いのです。

コンバージョンしやすいキーワードとは何か

では、コンバージョンしやすいキーワードとは何か。私の経験で行き着いた答えは、「ユーザーの悩みと、自社の独自性がぴったり重なるキーワード」です。

イメージしやすいように、WHO(誰が)×WHAT(何を求めているか)という視点で考えてみてください。誰が、どんな課題を抱えているのか。そして、自社はその課題に対して、どんな独自の解決策を提供できるのか。この重なりが見えたとき、そこにコンバージョンしやすいキーワードが存在しています。

ただし、これは売り手側が自分たちだけでは気づけない場合が多いように思います。自社の商品やサービスを熟知しているがゆえに、客観的な視点が失われているからです。

だからこそ、私たちのような外部の視点が必要になります。顧客インサイトを第三者として見つけ出し、そこからキーワードを導き出していきます。本当にユーザーのニーズがあるのか、強みは何なのか、徹底的に掘り下げる。その結果として、コンバージョンしやすいキーワードが見えてくるのです。

BtoBの事例

具体的な成功事例をお話ししましょう。日本ピーシーエキスパート様というBtoB向けに産業用PCの延命サービスを提供している企業があります。

この会社の場合、WHO×WHATが非常に明確でした。WHOは製造業の工場や生産ラインを持つ企業。WHATは「古い産業用PCが壊れると生産ラインが止まってしまう」という課題です。産業用PCは特殊な仕様が多く、新しい機種への入れ替えが簡単ではありません。延命してくれるサービスがあれば、非常に助かる。

このニーズが明確だったからこそ、キーワード選定も的確にできました。「産業用PC  延命」「古い産業用PC 修理」といったキーワードは、検索ボリューム自体は決して大きくありません。しかし、このキーワードで検索する人は、まさにその課題を抱えている担当者で緊急性が高いので、コンバージョン率は非常に高かった。

「PC修理」のようなビッグキーワードを追いかけていたら、この成果は得られなかったでしょう。ユーザーの課題が明確で、自社の独自性とぴったり重なっていたニッチキーワードだからこそ、成果が出たのです。

検索数ゼロでもコンバージョンが出る理由

さらに極端な話をしましょう。検索ボリュームがゼロと表示されるキーワードでも、実際にはコンバージョンが出ることがあります。

たとえば、先程の日本ピーシーエキスパート様の場合、OS名やメーカー名を含むロングテールキーワードがそれです。「Windows 7 産業用PC 延命」「OMRON製 産業用PC 修理」といった具体的な検索をしている方はコンバージョンにつながります。SEOツールで調べると、検索ボリュームは「0」や「10」と表示されるかもしれません。しかし、実際にはこうした検索をする人が存在していて、コンバージョンにつながっているのが事実です。

なぜこんなことが起きるのか。SEOツールのデータは、あくまでサンプリングや推定値に基づいています。検索数が少なすぎると、正確に測定できないのです。でも、実際にはニーズがあります。特にBtoBの専門的なサービスでは、こうしたロングテールキーワードが重要な役割を果たします。

ここで大事なのは、データと経験値のバランスです。SEOツールのデータは参考にすべきですが、それだけに頼ってはいけない。顧客インサイト、つまり「実際にこういう課題を抱えている人がいる」という現場感覚を信じることも必要です。

正直に言うと、これは数字だけを見ていては絶対にわからない世界です。お客様と直接話をして、どんな言葉で検索しているのか、どんな困りごとがあるのかを聞き取る。その積み重ねが、検索ボリュームゼロでもコンバージョンするキーワードを見つける鍵になります。

AI検索時代のキーワード戦略

最近、もう一つ大きな変化が起きています。AI検索から訪問するユーザーが増えてきているんです。

ChatGPTやPerplexityといったAI検索ツールを使う人が増えていて、これらのツールから直接Webサイトに流入するケースが出てきました。AI検索では、従来のGoogleのような「キーワード検索」ではなく、もっと自然な質問形式で検索されます。「産業用PCが故障して困っているんだけど、どうすればいい?」といった形です。

この流れを考えると、これまで以上に検索ボリュームを意識しすぎてはいけないと感じています。AIが判断するのは、「このコンテンツはユーザーの質問に対して、本当に役立つ答えを提供しているか」という点です。検索ボリュームが多いキーワードを詰め込んだだけのコンテンツでは、AIに選ばれません。

これからのSEO、いやAIO(AI Optimization)の時代に必要なのは、ユーザーの課題に真正面から答えるコンテンツです。キーワードは、その結果として自然に含まれていく。本質は変わっていないんです。顧客インサイトを起点に、本当に役立つ情報を提供する。これがAI検索時代にも選ばれる鍵になります。

まとめ

検索ボリュームは、あくまで目安であって絶対ではありません。数字が大きいからといって、必ずしもコンバージョンにつながるわけではない。むしろ、ビッグキーワードに振り回されて、本質を見失っている企業が多いのが現状です。

本当に大事なのは、顧客インサイトです。WHO×WHAT、つまり誰がどんな課題を抱えているのかを深く理解すること。そして、自社の独自性とその課題の重なりを見つけること。そこにコンバージョンしやすいキーワードが存在しています。

検索ボリュームがゼロでも、実際にはニーズがある。AI検索時代になっても、本質は変わりません。ユーザーの課題に真正面から答えるコンテンツを作り、地道にロングテールを積み上げていく。これが、これからの時代に成果を出し続けるキーワード戦略です。

データも大事ですが、それ以上に大事なのは顧客を理解しようとする姿勢です。SEOツールの数字に惑わされず、本質を見極めてください。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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