注文住宅会社が見込み顧客を増やすためのニッチホームページ戦略

Webマーケティング
Webマーケティングシナリオ

一生の買い物の中でも、家は高い買い物のひとつです。
ほとんどの人はインターネットで情報収集を行った上で、好みの住宅メーカーを数社に絞り込んで、実際にモデルハウスを見学してどこの会社に依頼するか決めています。

そこで今回は、注文住宅会社の見込み顧客を増やすためにニッチなニーズを掘り起こしてホームページで集客していくためのシナリオについて考えてみたいと思います。

注文住宅会社のホームページの役割

注文住宅会社の営業マンは常に売上ノルマに追われています。
ある会社では、半年間、結果が出ないとクビになると聞いたことがあります。それほど厳しい世界です。

だからといって、見込み顧客の開拓のために、個人宅へ飛び込み営業をするのは非効率ですし、建売ではなく注文住宅で家を建てたいと考えているような経済的な余裕があり、こだわりがあるようなお客様を見つけるのは至難の業だと思います。

以前のように広くチラシなどをばらまいて、完成見学会などで刈り取る集客モデルは、現在は広告のレスポンスが悪すぎて費用対効果が合わないので、ほとんどの注文住宅会社はインターネットを作って見込み顧客からの資料請求や見学予約を増やす努力をしています。

ちなみに注文住宅会社は典型的な2ステップ型のビジネスモデルですので、ホームページの役割は見込み顧客のリードを獲得するまでが仕事です。

こちらからの電話営業(プッシュ型)をするのではなく、ネットを通じて見込み顧客が自ら訪問してくれるプル型の施策になります。

もし今でも、営業マンが個別に見込み顧客を探している会社であれば、 会社側が質の高いリードを営業マンに渡す仕組みを早急に作ってください。

時給が高い営業マンが個人で動いてても非効率ですし、特定のトップ営業マンの能力に集客を依存すること自体が事業としてはリスクがあります。

会社が見込み顧客開拓に責任を持つことで、営業マンはクロージングに集中することが出来ますので成約率もあがりますし、全体の新規受注数が伸びれば、会社にとっても営業マンにとってもお互いメリットがあります。

ホームページを24時間働いてくれる見込み顧客開拓ツールになるように、会社側が育てていくことが、営業チームを仕組み化するためのポイントです。

ニッチなニーズを強みとして戦う

この記事は、大手の住宅メーカーのホームページ担当者ではなく、どちらかといえば地方の小規模な注文住宅会社の経営者やホームページ担当者が読んでいるという想定で書いています。

このような会社のホームページはデザインの見た目をいくら良くしても大手の住宅メーカーにはかないません。
ホームページの見た目で差別化するというより、 自社の強みとユーザーニーズをどう強く結びつけられるホームページにできるかがポイントになります。

また、住宅購入の情報収集しているのは30代の子育て世代がメインかと思いますが、大手住宅メーカーと競合するレッドオーシャンな市場で戦うのではなく、少しでもブルーオーシャンな市場はないか考えることも大事です。

例えばですが、シニア層の建て替え・住み替えニーズも一定数あると思いますので、思い切ってシニア層の建て替えで地域No1を狙ってみるのでもいいと思います。

2030年には、高齢化率は31.8%と国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者となる見込みなので、市場規模としても魅力的だからです。

シニアに寄り添った間取りや仕様で差別化したり、お金周りのサポートとしては住宅ローンが通りにくい世代ですので独自のノウハウで差別化するなども考えられます。

少しニーズを広げると、「平屋」というテーマもありますが、一条工務店やセキスイハイムなど大手住宅メーカーも積極的に展開してますので、戦うのは正直難しいと思います。

もう少し掘り下げて、戦えるポイントがないか考えていきましょう。

地域名をかけ合わせたキーワードでもまだ競争が激しい場合は、関連性の高い検索キーワードを組み合わせて考えてみることも大事です。

平屋に関連性の高い検索キーワード

平屋を検討しているユーザーが合わせて検索しているキーワードから、切り口を考えてみましょう。

例えば、老後に一人で住む平屋を探している人がイメージできますので、「老後に一人で住む平屋」や「一人暮らしの平屋間取り」などのコンセプトに地域性を組み合わせた提案で差別化するのはいいと思います。

ただ、このようなコンセプトのモデルハウスを実際に建てるのはコストがかかりますので、最初はパースやコンセプトイラストなどで提案を行い、まずはモニター価格で最初の施工実績を作れるように努力しましょう。

勝てる市場と自分たちの価値が具体的になっても、情報発信をしないと誰にも伝わりませんので広告で集客する必要もあります。
ニッチなニーズなので、検索数はそんなに多くないと思いますが、見た人に強く刺されば、問い合わせや資料請求につながると思います。

このようにニッチなユーザーニーズに対して、御社が提供できる価値を組み合わせて集客を行い、勝てる市場をどんどん見つけていきましょう。

デザイン性で差別化したLP事例

以前、弊社でお手伝いしたオーガニックハウス博多様のランディングページの事例を少しご紹介いたします。

オーガニックハウスは世界的建築家であるフランク・ロイド・ライトの有機的建築思想を継承したデザインコンセプトに基づいた住宅を建てている注文住宅メーカーです。

一般的な住宅メーカーでは出せないような独特の質感やデザイン性に強みがあり、そのような世界観を好むユーザーに支持されています。

フランク・ロイド・ライトの世界観を好むユーザーには富裕層が多いので、そのような方に好まれそうなデザインでランディングページを作って集客を行いました。

あえて高級感を出すことで、ローコストメーカーで建てるような冷やかしのお客様を排除する効果もあります。

このように、ターゲットユーザー層が求めているものが、デザインなのか、品質なのか、コストなのか、安心なのか、そのニーズに合わせたコンセプトで集客を行うと結果が出やすくなります。

ニッチなユーザーはどうやって集客するのか

注文住宅会社がWeb集客で成果を出すためのマーケティング手法としては、ブログや施工事例ページを軸としたSEOが一番有効です。

具体的に検討しているお客様が知りたいのは その会社の経験や実力だからです。

ただし、SEOは効果が出るまである程度、時間がかかりますので、最初はリスティング広告での集客も行いましょう。

「注文住宅 福岡」などのビッグキーワードはクリック単価が高いので、地域名×ニッチなニーズの掛け合わせキーワードで広げていきましょう。

また、SNS広告であればエリアと年代などターゲット層を絞っての集客も有効です。
ペルソナとして、50代前半なのか60代まで含めるのか、価格重視なのか品質重視なのか、そのあたりでうまくフィルターをかけましょう。

Facebook広告では詳細ターゲット設定として、「興味関心」「利用者層」「行動」を指定できます。
ユーザー層として、小学校低学年の子どもがいる人に絞って広告を表示できますし、興味関心ではスポーツや音楽などどのようなライフタイルに興味や関心が高いのかを指定できます。
行動として、よく旅行する人には富裕層も含まれるのではないか?など具体的なペルソナから仮説を立てて集客しましょう。

これらのネット広告からの見込み顧客のコンバージョンとしては資料請求、見学予約などがメインになるかと思いますが、自社にとってどのようなお客様から資料請求きたら嬉しいかを具体的にイメージしながら広告でアプローチするユーザーを考えてみてください。

いくら問い合わせ数が増えても、自分たちにとって嬉しくない(?)ユーザー層からの問い合わせは意味がありません。

また、販売する商品の単価が数千万の注文住宅では、見込み顧客1件あたりの獲得単価(CPA)を厳密に管理してない会社も多いと思います。
CPAを低く抑えるだけでなく、数より具体的な商談へとつながる質を重視したプル型戦略で集客していくことが大事です。

広告以外の集客方法としては、スタッフブログでエリアのネタを中心とした面白コンテンツもアクセス数にはつながりますが、全く意味がないページ数が増えてもホームページ全体の品質が低くなりますので、注文住宅とは関係ないコンテンツはできるだけ排除したほうが無難です。もしどうしても情報発信したいのであれば、SNSを活用してください。

リアルでの成約率をあげるために

いくら、ホームページからの見込み顧客を増やしても、リアルでのクロージングがうまくいかなければ、売上にはつながりません。

成約するためには、商品がいいのはもちろんですが、 最終的に売れるかどうかは対応する人次第だと私は思います。

とくに注文住宅は何千万円もする商品ですので、誰でも失敗したくはありません。
ですので、信頼できる会社や担当者から買いたいと考えるのはもちろん、将来的なアフターサービスの対応も含め、見る目がシビアになります。
ホームページで興味を持ってモデルハウスを見学したけど、対応したスタッフのアフターメンテナンスに対する説明がいまいちだったので、興味をなくした経験が実際私にもあります。

会社で、商品の勉強会やマナー研修はされていると思いますが、表面的なテクニックを身につけるだけでなく、なぜ自分たちがお客様に必要とされているのか?仕事の目的を理解することがとても大事です。

お客様の悩みや興味を自分ごととして感じられるようになれば、必ず結果は出てきます。

どんな営業マンでも、 人に必要とされ、結果が出ると、自信につながります。

そうやって成長した人が、真剣にホームページのコンテンツを考えると、自分たちの理想のお客様を集客できるようになり、ストレスが少ない集客サイクルが出来上がってきます。

お客様とホームページをきっかけに出会いが始まり、どのような資料を送れば喜んでいただけるか。来店いただいた時にどんなお話をすれば信頼関係を構築できるのか。

ご縁があり、ご契約をいただき、関係者みんなが笑顔で語り合うようなハッピーなシナリオを考えてみてください。

そこまで真剣にお客様のことを考えられるようになれば、必ず結果は出るはずです。

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桑原 敬

この記事を書いた人

桑原 敬(Takashi Kuwahara)

代表/プロデューサー

2003年にフリーランスのWebディレクターとして独立。2006年に株式会社桑原敬事務所を設立し、数多くの企業Webサイトや通販サイトの構築やコンサルティングを手がける。
2006年からレベニューシェアでのWebプロデュースを軸としたビジネスを展開し、これまでコンサルティングを行ったクライアントの中には年商が10倍以上になった実績もある。現在はWeb以外の分野でも、働きかたプロデュースなど幅広い分野で活動を行っている。

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