
SEO対策の一環として、生成AIを活用してブログ記事のリライトや執筆を行う企業が増えています。
しかし、生成AIを使って記事作成を効率化するような使い方はいいのですが、AIが作った文章をそのまま貼り付けるような使い方では、残念ながらSEO効果はほとんど期待できません。
Googleが評価するのはページ数の多さではなく、どれだけ有益で独自性のある情報が含まれているかだからです。つまり、AIで作った質の低いコンテンツをいくら増やしても、SEO効果があるどころかドメイン全体の評価を下げるリスクを増やすだけです。
そこで重要になるのが、自社にしかないノウハウや一次情報をどのようにAIに学習させて、独自のコンテンツを生み出すかという視点です。
今回は、当社が実際に生成AIを使って、どのように独自性があるコンテンツを作っているか手順も含めご紹介します。
まず大前提として「全部AI任せ」はNG

生成AIは非常に便利ですが、すべての工程を任せてしまうと、内容の薄いコンテンツを生み出すことになりがちです。
たとえば、自分がラクするために「◯◯について500文字でブログ記事を書いて」とだけ指示して得られた文章は、見た目は整っていても中身は既出の情報の寄せ集めに過ぎません。
ChatGPTはイチからオリジナルの内容を生み出す力は今のところありませんので、必ずどこかに情報の参照元が存在します。そのため、単なるAI出力をそのまま使うと「コピーコンテンツ」と変わらないリスクがあります。
理想は 人間の思考 × AIの補助
いくら優秀なAIであっても、社内の一次情報は持っていません。
なので、自社のビジネスの詳細まで把握している経営者やベテラン社員がコンテンツを作るべきなのですが、現実的に忙しい経営者がコンテンツ作成を行うのは難しいと思います。
そこで考えて欲しいのが、自社が持ってる一次情報をAIに学習させて、効率よくコンテンツを作る方法はないか。
役割分担として、コンテンツのコアになる情報は自分たちで集めて、AIには競合他社のリサーチやコンテンツのリライトなどアシスタント的な部分を手伝ってもらうぐらいがちょうどいいバランスです。
また、AIへ指示する時は、業務経験が浅い新入社員に指示するような丁寧さを心がけましょう。
AIは賢いから、ざっとした指示でも大丈夫だろうと考えていると、経験値が低い人に曖昧な指示を出しても、期待したようなものは出てこないのと同様に、いくら優秀なAIであっても、曖昧な指示ではその能力を発揮できません。
AIへのコンテンツ作成依頼手順
実際に当社で行っているAIを活用しながら質が高いオリジナリティあるコンテンツ作成手順をご紹介いたします。
【STEP1】リサーチ
まずは「最新のSEOノウハウ」と「ユーザーニーズ」に関する情報を、AIに調査させます。
当社ではPerplexityを使用しています。これは検索エンジンを兼ねたリサーチAIで、ChatGPTよりも最新情報に強いのが特徴です。

まず初めに、SEOに関する最新の情報を簡潔にまとめてもらいます。
以下はプロンプトの例です。
Googleで「◯◯」と検索したときに上位表示されるための最新のSEOノウハウを教えてください。
次に、ユーザーのニーズを調べてもらいます。
◯◯を販売している会社です。ユーザーはどのような情報を求めていますか?関連キーワードと共に教えてください。
自社サイト:https://www.◯◯.com
競合他社:https://www.△△.com
必要に応じてプロンプトを微調整し、内容がイメージと異なる場合は再依頼しましょう。
最終的に吐き出された情報は後のタスクで使いますのでテキストをコピーするかPDFでダウンロードしておいてください。
【STEP2】テーマのアイデア出し
Perplexityから得られたリサーチ結果を基に、ChatGPTにテーマと構成案を出してもらいます。
このような企画的なことはChatGPTが得意ですので、先ほどダウンロードしたデータを読み込ませて以下のような指示をします。
このユーザーニーズをもとに、「◯◯」で検索したときに上位表示されるブログ記事のテーマと構成案を提案してください。また、差別化のために必要な社内資料も教えてください。
【STEP3】社内資料を収集
ここではAIを使いません。ChatGPTの提案に基づき、テーマに関連する社内の一次資料を可能な限り集めます。
すでに公開している情報ではなく、眠っている貴重な情報を掘り起こすのがポイントです。
例えば、社内ではあまり重要と思われてる以下のような情報は意外と大事だったりします。
- 新入社員向けの研修資料
- ペルソナに近い顧客との商談録
- 過去のクレーム内容
- セミナーデータなど
【STEP4】情報整理
集めた社内資料をNotebookLMにアップロードし、チャット形式で情報を整理していきます。
ここで使うAIはNotebookLMとは、社内文章や研究資料などをストックして検索や整理の時に使える社内書庫のようなAIです。NotebookLMはAIの機械学習用のデータとしては使われませんので、社内文章や研究資料など社外秘の情報をアップロードしても問題ないと思われます。

NotebookLMにデータソースを登録後、チャット欄に質問を投げかける形で回答が出てきます。
例えば、以下のような質問を投げかけながら情報を整理していきましょう。
◯◯の悩みを持つ顧客にどんな価値がありますか?3つにまとめてください
よくある質問をQ&Aで5つ作ってください
成功事例をインタビュー形式でまとめて
【STEP5】記事執筆
整理済みの情報をChatGPTに読み込ませ、SEOに適した記事を書いてもらいます。
以下の情報をもとにSEOに強いブログ記事を書いてください。
・ブログのテーマと構成案
・NotebookLMで整理した社内資料
・Perplexityのリサーチ情報
必要に応じて、タイトルタグ・見出し構成・メタディスクリプションも生成してください。
【STEP6】社内で最終校正
AIの出力結果は、必ず社内で内容確認とファクトチェックを行ってください。
誤情報が含まれていると、会社の信頼を損なうリスクがあります。
Perplexityはファクトチェックにも使えますので、統計情報や一般的な事実の確認に活用しましょう。
【STEP7】公開作業
ChatGPTに構造化マークアップの生成を依頼すれば、WordPressへの効率的な公開作業が可能です。
AIは「効率化のパートナー」として使おう
AIは「楽をするための道具」ではなく、「自社の強みを効率よくコンテンツ化するための相棒」と捉えることが大切です。
適切な順序と役割分担を守れば、生成AIを活用したSEOコンテンツは非常に高い効果を生み出します。