
パワハラやセクハラは一般的になってますが、最近「スメハラ」という言葉もよく耳にするようになりました。
そこで今回は企業におけるスメハラ対策をビジネスの視点でどう解決していくのかについて考えてみたいと思います。
スメハラとは
そもそもハラスメントとは日本語では「いやがらせ」や「いじめ」のような意味で、相手を不快にさせ、不利益を与えるといった場合に使われます。
代表的なものとしては「セクハラ」「パワハラ」、変わったものでは「オワハラ」など様々なハラスメントがあふれています。
「スメハラ」は「スメルハラスメント」の略で臭いで周囲を不快にさせるハラスメントの事を言います。つまり企業における「スメハラ」とは、社員の臭いによって会社に不利益が与えられるケースです。
例えば、職場の同僚の口臭や体臭が気になって業務に支障が出ているなど、臭いがきっかけで会社に悪影響を与えている場合はスメハラだと言えます。
イヤな臭いがする人と同じ職場だとチームワークや人間関係が悪化しますよね。
人によっては会社に行きたくないと考える場合もあるでしょうし、それで優秀な人材が辞めてしまったら、スメハラによって会社は大きな損害をうけたことになります。
スメハラの具体例
実際にスメハラになりやすい具体例としていくつか例をあげます。
口臭や体臭
一番多いのは口臭や体臭です。臭いがない人間などいませんので、どれぐらいの臭さならスメハラになるのか人によって感じ方が変わってきますが、最も指摘がしにくくデリケートな問題とも言えます。
「汗」「不潔」が原因の場合は比較的改善はしやすくなりますが、ワキガなど体質によるものもあります。
コロナの時はマスク生活が日常的でしたが、今はみんなマスクをしなくなり、対面で仕事をする機会が増えたことで他人のにおいが気になる人も増えてるようです。
香水や柔軟剤の臭い
自分ではいい匂いだと思って香水をつけていても、人によっては不快に感じる人はいます。
柔軟剤のにおいも同様で、一切だめという人もいればそうでない人もいます。
タバコの臭い
最近はオフィスやレストランなど禁煙の場所が増えており、タバコの臭いに敏感になる人が増えています。非喫煙者は吸わないからこそ臭いに敏感です。
スメハラ対策をビジネス視点で考えてみる
ビジネスにおいて解決したい課題がある場合、必ずなにか問題点(ボトルネック)があります。そのボトルネックを発見できれば、課題を解決すること自体はそう難しくはありません。
スメハラ対策の場合も同じで、「課題」「問題点」から「解決方法」を考えてみたいと思います。
スメハラによる課題
- 社員の臭いがきっかけに社内のチームワークや人間関係が悪化している
- 営業の人の臭いがきつく、クライアントが会ってくれない(会っても短時間)、逆にクライアントが臭くて、自社の営業があまり訪問したがらない
- それにより業績に影響が出ている(出る可能性がある)
問題点(ボトルネック)
社員やクライアントの臭い
解決方法
シンプルな解決方法としては、臭いの原因となっている人に直接言って、臭い対策をしてもらえればいいのですが、スメハラの対応が難しいのは、本人が自分が臭いをさせてると気づいてなく、伝え方によっては傷つけてしまうことです。
そもそも、クライアントや同僚に面と向かって臭いとは言えませんよね。
そこで、本人に気づかせるきっかけを作ることが企業としてはベストな解決方法だと思います。
例えば、服装などのマナー講座で臭いのマナーについて話したり、においのエチケットなどを学ぶセミナーなどを開催したり。会社としてそのようなきっかけを作ることで、本人に臭いについて考えてもらう。
そして、アクションを起こしてもらうために社員間でフィードバックする機会をあずけたり、相談窓口 or担当部署を設置するというのも必要です。
また、社内規定に「スメハラ」についての項目を設けるという方法もあります。
眼鏡販売で有名なオンデーズでは、従業員の服装規定に「におい」の項目を導入したとメディアで紹介されていました。順守できていない人は人事評価に影響が出るそうですので、社員全員が気をつけるはずです。
KPI
ビジネス視点で仮説を考える場合は、必ずKPIで数値化しましょう。
本来のKPIとしては臭いの原因となってる人の臭いレベルがどう変わったかで判断する必要がありますが、その人を傷つけてしまう可能性があります。
そこで、課題に対してどれだけインパクトを与えているか?と考えると以下のようなものが数値化できることに気が付きます。
- 社員間での会話などコミュニケーション回数(ホームページで言えばページビュー)
- 営業先での商談時間(ホームページで言えば滞在時間)
- 営業の成約数や成約率(ホームページで言えばCVやCVR)
その結果、KGIになるのが売上金額となります。
企業のスメハラ対策と言われたら何をしたらいいのかわからなくなりますが、ビジネス視点で分解して考えることで、解決方法がわかるようになります。

私たちが行っているWebマーケティングも同じようなもので、漠然とした課題からボトルネックを探し、それに対する仮説を立て、数値化して検証していくという方法をとっています。